子供に「敵を突き殺せ」と教えた時代… ”軍国少年”のリアルな記憶を紙芝居にした作家
■子供に「敵を殺せ」と教えた時代 旧制福井中学校(現・福井県立藤島高校)では軍事教練が行われ、1年生の田中少年は木製の銃剣で敵を突き殺す練習をしていました。軍国少年だった田中弁護士の思いを引き継いだ寮美千子さんは、憤りを隠せません。 寮美千子さん:この絵は、藤島高校の百年史の中にあった、本当にしていた軍事訓練の様子をそのまま絵にしてもらいました。13歳の子に人を突き殺す練習をさせ、14~15歳の子に街の中を本物の銃剣を持たせて戦車の後ろを一緒に走らせる。このようなことを子供たちにさせていたのが、わずか80年前の日本という国だったんですね。そんなことはもう、絶対にさせてはいけないと思います。 寮さんは紙芝居の上演を「ひとりでできる反戦運動」位置づけて、各地で上演しています。完成した紙芝居は、上映していただける民間団体に無料でお渡しする計画ですが、数量限定で先着順。渡せる部数には限りがありますので、ご希望の方は寮さんたちが主宰している「ならまち通信社」で検索してみてください。 ※奈良市中辻町1-1ローレルコート奈良1F店舗 ならまち通信社 この紙芝居は絵本にもなっています。『ぼくが子どものころ』戦争があった「いくさの少年期」より』(ロクリン社、税別2,200円)。 ■神戸金史(かんべ・かねぶみ) 1967年生まれ。毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュース報道やドキュメンタリー制作にあたってきた。やまゆり園事件やヘイトスピーチを題材に、ラジオ『SCRATCH差別と平成』(2019年)、テレビ『イントレランスの時代』(2020年)・『リリアンの揺りかご』(2024年)を制作した。
RKB毎日放送