年金「月14万円」…手取り30万円労働者の「残酷すぎる老後」
「経済的余裕がない」…老後に必要な資金のことなんて
同調査では「生活設計なし」と回答した人にその理由を聞いている。もっとも多いのは「将来の見通しを立て難いから」25.8%。そして「経済的余裕がないから」23.1%、「なんとか暮らしていけるから」22.8%、「将来より現在の生活が大切だから」15.9%と続いている。 なお1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は「年収458万円」。年収458万円だと毎月の給与は38万円、手取りは30万円ほどになる。単身者が節約に励み、ようやく月数万円の貯金ができるといったところか。子どもを抱える世帯などには貯蓄が難しいことは容易にうかがえる。「将来の見通しを立て難いから」「経済的余裕がないから」が約半数となるのも何ら不思議な話ではない。 では老後は年金暮らしで…と考えたいところだが、厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者は3,598万人で、受給者平均年金は月額約14万4,982円。「年金+α」での生活が求められていることは間違いない。手取り30万円で貯金をせずに老後に至ったら、極めて厳しい生活が待っている。 「自助努力」。ここ数年、何度聞いてきた言葉だろうか。人生100年時代と謳われる今、投資による資産形成にも注目が高まっているが、それは余裕資金があってのこと。「貯める」ことすら難しい日本社会の残酷な現実を、直視していく必要がある。
THE GOLD ONLINE編集部