『シビル・ウォー アメリカ最後の日』主演キルステン・ダンストが語る「戦場ジャーナリストへの深い敬意」
【画像】リーに憧れている、報道カメラマンを目指す若いジェシー。リーたちと同行することを許されるが、初めて人が殺される場面に遭遇し衝撃を受ける。演じるケイリー・スピーニーは、ソフィア・コッポラ監督の『プリシラ』でタイトルロールを演じて、ヴェネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞。『エイリアン:ロムルス』でも主演をつとめた注目の若手俳優。アレックス・ガーランド作品ではドラマ『DEVS/デヴス』に出演。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を観て、もしかしたら目の前で銃弾に倒れ、死にゆく人々にカメラを向けることに対してモラル的に疑問を抱く人もいるかもしれません。人道的支援が優先されるべきなのではと。 そういう意味で私は、劇中で師であるサミーが被弾して命を落とし、急速に気力を失っていくリーとは反対に、どんどんアドレナリンが加速していくかのように無謀な行動を取るジェシーに疑問を覚えました。彼女を突き動かしているものは正義感か使命感か、それだけでなくこの異常事態にあって、どこか高揚感があるのではないかと思ってしまったから。 しかし、『メリー・コルヴィンの瞳』を観て、そのどちらの感情も本物なのではないかとも。そもそも論として、どんな理由があったとしても、あれほどの過酷な戦場に乗り込んでいくという行為にはリスペクトしかないと改めて痛感しました。 キルステンは、リーやジェシーのような報道カメラマンたちを描くことの意義について、力強く、次のように語りました。 「戦場で命をかけて真実を伝える報道カメラマンたちを描くこと、そして彼らが真実を記録するために払う多大な犠牲とリスクを理解し、評価してもらうことを私は期待しています。映画に登場する報道カメラマンたちは、兵士のように現場に立ち、しかし異なる武器を持つヒーローなのです。 この映画の目的は特定の主張を押し付けることではありません。観客を登場人物の人生に没入させることが重要であり、観客がジャーナリストたちの献身と勇敢さに対して、自分なりの敬意と賞賛を抱くことができる。エンターテインメントとしてそのような体験を提供することで、命の危険に直面しても真実を伝えるジャーナリズムの重要性を浮き彫りにしていると信じています」