『シビル・ウォー アメリカ最後の日』主演キルステン・ダンストが語る「戦場ジャーナリストへの深い敬意」
BAILA創刊以来、本誌で映画コラムを執筆している今 祥枝(いま・さちえ)さん。ハリウッドの大作からミニシアター系まで、劇場公開・配信を問わず、“気づき”につながる作品を月1回ご紹介します。今回は、公開中の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』。主演のキルステン・ダンストが登壇した、オンラインのプレス・カンファレンスの模様を交えてお届けします! 【今祥枝の考える映画】『シビル・ウォー』ほか大人の“気づき”につながる作品(画像)
【画像】有名な報道カメラマンのリー・スミス(手前)を熱演するキルステン・ダンスト。『スパイダーマン』シリーズのほか、『マリー・アントワネット』などソフィア・コッポラ監督作品でもおなじみ。2021年の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でアカデミー賞助演女優賞候補に。リーの後ろにいるのが相棒ジョエル(ワグネル・モウラ)。
連邦政府から19の州が離脱し、内戦状態に陥った近未来のアメリカを舞台にした『シビル・ウォー アメリカ最後の日』。気鋭のスタジオ「A24」史上最大の製作費をかけた、今年一番の話題作です。 本国アメリカでの大ヒットを筆頭に、10月4日から公開となった日本ほか世界各国で「明日にでも起こりうる現実」として、映画を観終わった後の議論も盛り上がっています。読者のみなさんの中にも、既に劇場で大迫力の音響と銃撃戦を体感した方も多いのではないでしょうか。 イギリス出身のアレックス・ガーランド監督が既出の多くのインタビューで、「ドナルド・トランプのような人間が大統領になる時代とは、どんな意味を持つのかをテーマに映画を作ろうと思った」と語っているように、11月5日(現地時間)にアメリカ大統領選の投票を控えた今、まさに観るべき一作と言えるでしょう。 さらにアカデミー賞に向けて息の長いヒットになりそうな本作。アワードシーズンに突入した10月には米ゴールデングローブ賞の投票者らに向けたオンラインのプレス・カンファレンスが開かれ、キルステン・ダンストが各国の記者たちの質問に答えて本作のテーマや映画についてたっぷりと語ってくれました。その模様を交えて、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を読み解いてみたいと思います。 *以下の記事内には映画の内容に関する記述があります。