チョコレートと日本酒の出会い 中田英寿監修ロッテの酒ガナッシュ『YOIYO』、5日から発売
「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」が監修し、「株式会社ロッテ」と「黒龍酒造」とのコラボレーションによる『YOIYO 酒ガナッシュ <黒龍 貴醸酒>』が5日から発売された。チョコレートと日本酒の掛け合わせによる〝新感覚〟の味わい。10月22日、東京都内で開かれた発表イベントに中田英寿代表が登場し、その制作意図を存分に語った。
ロッテの『YOIYO』は2021年にデビューした商品で、黄昏時や夕食後に楽しんでほしいとの思いから「良い宵」「夜」といった言葉をもとに名付けられた。これまでにもウイスキーとのコラボ商品を世に送り出しており、今回が第18弾。同社の中央研究所チョコ・ビス研究部の田所啓次さんは「コンマ数%レベルの真剣勝負があった」と、新商品につまったこだわりへの自信をのぞかせる。
これまでの『YOIYO』のラインナップと最も違うのは、日本酒が用いられているという点だ。その中でも、製造過程で仕込み水の代わりに日本酒を使用することでリッチな甘みが特徴となる「貴醸酒」に白羽の矢が立った。30種類以上もの日本酒を試飲した上で、出た答えだった。中田さんは「純米、純米大吟醸というところだとチョコレートの味わいに負けてしまう部分も大きい。日本酒の良さを出すとき、ナチュラルな甘みと発酵の良さが生きるという意味で、貴醸酒がいいんじゃないかと思い、提案した」と語る。チョコレートの風味を生かし、なおかつすっきりとした口溶けの感触を出すために、試作を重ねてたどり着いたという。 黒龍酒造は文化元年(1804年)創業で、福井県吉田郡永平寺町に本社を構える老舗。世界中のレストランがそのプレミア日本酒を求めて、流通価格が高騰するハイブランドな酒蔵だ。日本各地を巡って、日本の伝統文化の良さに触れてきた中田さんとは15年来の付き合いがあるという。実はロッテの定番商品の『雪見だいふく』には伝統的な福井県の和菓子で、餅粉に水飴などを練り込んで仕上げた羽二重餅が使用されており、今回のコラボに参画した黒龍酒造八代目蔵元の水野直人さんは、地元とロッテの〝縁〟をもともと感じていたという。