チョコレートと日本酒の出会い 中田英寿監修ロッテの酒ガナッシュ『YOIYO』、5日から発売
開発においては、既存のチョコレートに貴醸酒を加えるという単純な方法ではなく、カカオの甘み、苦みや余韻の長さといったところにこだわった。中田さんは「味わいの良さ。僕好きで食べますけど、食べた後に口の中に残ってしまうと、2個目3個目とすぐに手が伸びづらい。日本酒のチョコレートを作るということ以上に、チョコレートとして本当にさらにおいしいものをつくるという部分を考えた。何個でも食べ続けられる、一つ食べた後に水が飲みたいとか、コーヒーが飲みたいとか、そういったことではなくて、またすぐ食べたくなるチョコレート」と細部にまでこだわったことを明かした。そして、そのチョコレートと黒龍酒造の貴醸酒の相性の絶妙なバランスの良さに自信を見せ、「日本酒でも、飲み終わったあとに口の中に無駄な味が残らない、アルコール感、甘さ、苦さ、渋さ、そこが残らないお酒がいいお酒だと思っている。今回の黒龍のお酒は、アフターの長さときれいさが際立つお酒だと思っている」とうなずく。 パッケージは深みのある青色で、大人の雰囲気が漂うデザインとなっている。中田さんは「お酒が入っているのを含めて、少し雰囲気のいい高級なバーだったり、そういったところで食べるのを想像したり。贈答品としてあげられるようなのをというのを考えたときに、シンプルだけども上品なパッケージ」と、こちらもコンセプトを大事にした。 今回、三者の力を合わせたことで生まれた新商品。中田さんは「コラボすることで必ずいいものができるとは限らない。でも、新たなことに挑戦できるのがコラボレーション」と可能性が広がることこそに価値があると指摘する。サッカーを引退した後、日本各地を旅したことで直接その手で触れてきたものがあるからこそ、日本の伝統文化、伝統産業への大きな可能性を感じている。きらりと光るような原石が地方に眠ったままではもったいない。「地方を回っていく中で、素晴らしい生産者はたくさんいる。ただ、世界に出た経験がない。自分が全国を回った知見、現場を見た知識をもとに、掛け合わせをするというのが自分たちの会社の考え方」と、日本の伝統的な良さを世界に伝えていくことの意味を訴える。 酒とチョコレートのマッチングという事業に携わってきた田所さんは「『YOIYO』を通じてクラフト酒の文化の発展に貢献したい。魅力を伝えて参りたい」と今後への意欲を口にし、水野さんは「お酒っていろんな人を引きつける。ワイナリーみたいに全国のいろんな酒蔵を巡る、そんな方も増えている。いろんなスタイルの中で、地方の楽しみを増やし、その中で酒蔵も頑張っていかなきゃいけない」と伝統文化の継承者としての自負心をのぞかせる。 日本各地で脈々と受け継がれる伝統文化。現役時代にイタリア、イングランドといった海外での生活を経験した中田さんは、日本だけでなく世界にも目を向けながら、日本文化の発信に力を注いでいる。「訪日外国人も増えている。日本酒に関する興味も増えているのを非常に感じる。黒龍さんのような有名なところが(今回のコラボレーションを)やってくれたのは大きなこと。日本の文化、日本酒を広げられるようにしたい」と今後の展望を語った。
VictorySportsNews編集部