EU離脱主導したファラージュ氏、英総選挙出馬へ-与党に一層の打撃
(ブルームバーグ): 2016年の英国民投票で欧州連合(EU)離脱の旗振り役を務めたナイジェル・ファラージュ氏が、7月4日の総選挙に右派政党「リフォームUK」から出馬すると表明した。同氏は出馬を見送る意向を示していたが撤回した格好で、スナク首相率いる与党・保守党の選挙戦をいっそう難しくする恐れもある。
ファラージュ氏は3日、ロンドン中心部で臨時記者会見を開き、「4日正午に立候補を発表し、選挙運動を開始する」と述べた。選挙区はイングランド東部のクラクトンで、同地域ではリフォームUKやその前身政党への支持が比較的強い。
スナク首相は従来の保守党支持層がリフォームUKに流れるのを食い止めることを狙った選挙公約を選挙戦序盤に打ち出したが、ファラージュ氏の突然の参戦で戦略の練り直しを迫られそうだ。ブルームバーグが世論調査会社11社のデータを総合したところ、保守党は主要野党の労働党に支持率で20ポイント余りの差をつけられている。有権者の右派層の保守党離れも、同党の状況を悪化させている。
スナク氏が保守党右派に気をとられている間に、労働党のスターマー党首は中道寄り有権者の支持固めに努めている。
ファラージュ氏(60)はまた、リチャード・タイス氏に代わってリフォームUK党首の座を引き受ける。
ファラージュ氏はこれまで英議会選挙に7回挑戦して全て落選しているが、それでも同国の政治に大きな影響力を持つ。ただ、7月の総選挙実施は予想していなかった様子で、当時は時期が適切でなく、友人であるトランプ前米大統領のホワイトハウス返り咲きを手伝うことにより注力していると説明していた。
原題:Farage Says He’ll Stand in UK Election in Blow to Sunak’s Tories(抜粋)
--取材協力:Louise Moon、Joe Mayes.
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Alex Morales