アフリカへの中古車輸出業撤退から中古車買取り事業に転換したハッピーカーズ・新佛社長「今思えば、好き勝手に生きることに一生懸命だった」
◆振り返ると「好き勝手に生きる」ことに一生懸命だった
「これまでやるべきことを優先順位にしたがって一つずつこなしてきて、今振り返ってみて、はっきりしたことがあります。それは、僕は『好き勝手に生きる』ことに意外と一生懸命だったということです。 人生の中で、仕事が占める割合は相当なものです。一般的な会社員の場合、人生の総時間のうち約3割を仕事に充てているといわれています。残り7割で家族と過ごしたり、プライベートを楽しんだり、食事したり、眠ったり、休んだりしているわけです。そう考えると、仕事がどれだけ楽しく、満足できているかによって、人生の充実度が決まるといっても過言ではありません。 それまで大病をしたことはありませんでしたが、いきなり脳梗塞になって、生死の境目を彷徨ってから、僕は健康に気を遣い、仕事の仕方も見直すようになりました。朝食を食べたら、愛犬をつれて海まで散歩。波の状態を確認して、『これはサーフィンができそうだな』と思ったら、すぐにボードをとってきて海に入ります。 海に行けば誰かしらサーフィン仲間がいるので、『今日の波はなかなかだね』など会話したり、情報交換をしたりします。サーフィンをするときは、だいたい朝9時までには自宅へ戻り、シャワーを浴びてから仕事です。こんなふうに朝9時くらいまでにその日やるべきことは終えています。 日常も、仕事も、サーフィンも、みんな連続した時間の中でシームレスにつながっていく感覚。案外、仕事とプライベートの境目をなくしてみて、どちらも同じ自分の人生の切り離せない一部として考えると、よりストレスを感じずに人生を楽しめるような気がします」 【プロフィール】新佛千治社長 株式会社ハッピーカーズ代表取締役。メーカーに入社し、全国トップクラスの営業マンになるも、「自分の可能性をもっと広げてみたい」と退社。サーフィンで大波に乗ることを目指しハワイへ。 帰国後は、新たにデザインの勉強をはじめ、未経験から広告業界に飛び込む。 出版社にデザイナーとして入社し、のちに大手情報サービス会社で広告制作ディレクター、コピーライターとして実績を積み、2005年にはクリエイティブディレクターとして広告制作会社を立ち上げる。 その後、リーマンショック、東日本大震災などの世の中の環境変化に伴い、フランチャイジーとしてまったくの異業種である中古車輸出業へ。海外への販売ルートの開拓を視野に、中古車の輸出先となるアフリカのタンザニアに現地法人を立ち上げるも、治安の悪さから短期間で撤退。 再びゼロから一人で中古車買取り事業をマンションの一室で創業。その翌年2015年には株式会社ハッピーカーズを設立しフランチャイズ展開。2024年現在、売り上げ40億円、扱い台数5000台、全国に120店規模の加盟店を展開する企業へと成長する。 著書に『クルマ買取り ハッピーカーズ物語』(扶桑社)、『人生が劇的に豊かになる! 40代からの「中古車投資」』(講談社)、『DONʼT BE GREEDY 欲張らない経営 レッドオーシャンの車買取り業で成長し続ける一人社長の経営論』(幻冬舎)がある。 <文・構成/日刊SPA!編集部 プロデュース/水野俊哉> 【水野俊哉】 1973年生まれ。作家。実業家。投資家。サンライズパブリッシング株式会社プロデューサー。経営者を成功に導く「成功請負人」。富裕層のコンサルタントも行う。著書も多数。『幸福の商社、不幸のデパート』『「成功」のトリセツ』『富豪作家 貧乏作家 ビジネス書作家にお金が集まる仕組み』などがある。
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