農大一、久我山…東京「中高一貫」の人気校密集地帯、“城西・城南”に起こる波乱とは?【2025年共学校編5】
● 校名変更を発表した「三田国際」 三田国際学園(世田谷区用賀)は、「更なる教育の充実と発展を目指して」2025年度より校名を「三田国際科学学園」に変更する。なぜ“科学”を新たに加えるのか。メディカルサイエンステクノロジーコース(MST)はすでにあるが、新しい地上3階建てのサイエンスラボ棟(仮称)の準備も進められていることが背景にありそうだ。この発表の影響については、12月にお届けする予定の「最終予想」の際に改めて考えたい。 全体的に22年から23年に倍率が上がり、24年は緩和傾向だった。隔年現象かと思いきや、志望者数は総じて減少気味のため、25年も引き続き緩和傾向となりそうではある。帰国生入試の30人を含む160人を募集するが、その区分は4科または英国数+面接のISC(インターナショナルサイエンス)と4科または英+面接のIC(インターナショナル)、そして先述した算理2科のMSTCの三つある。初回を除けば、いずれも午後入試である。 24年の受験者数と実倍率から、各入試回を見ていこう。[1日1回]はISCとICがあり、192人・3.05倍と165人・4.34倍だったが、志望者数は2割弱減と3割弱減なので、25年はさらに緩和傾向にある。[1日午後2回]も同様に、172人・2.49倍と66人・3.88倍だったが、志望者数は微減と3割弱減なので、25年は特にICが3倍台前半まで緩和するかもしれない。 [2日午後3回]も同様に、最多の受験生が集まったISCが243人・3.63倍、ICは169人・7.04倍だったが、こちらは志望者数が微増と3割弱増ということもあり、特にICは25年にどこまで倍率が高まるのか注目される。[4日午後4回]はISCのみで314人・5.23倍(23年6.88倍、22年11.35倍)と徐々に緩和してきたが、志望者数は微減なので、5倍強に25年はとどまりそうだ。 期待の入試回でもある[3日午後MST]は、24年に179人が受験して3.38倍だった。22年4.23倍、23年4.31倍と比べると緩和しているのだが、志望者数は3割半増加しており、25年は3割台後半に盛り返しそうである。