農大一、久我山…東京「中高一貫」の人気校密集地帯、“城西・城南”に起こる波乱とは?【2025年共学校編5】
● 絶好調の「東京農大第一」が1日午前に参入 2025年入試を代表する人気校となりそうな東京農業大学第一(世田谷区桜)は、中学校で約200人を募集する。1回と4回は4科、午後の2回と3回は2科(算国か算理)となっている。新たな[1日1回](左は日程、右は入試名。以下同じ)に24年実績はないが、約40人の募集人員に対してどのくらいの受験生が集まるのか。四模試の志望者数を見た感じでは、200人程度となりそうだが、こればかりはふたを開けてみないと分からない。 ここからは同じ日程で24年実績と比較する。[1日午後2回]は24年の受験者数が963人と大人気の入試回でありながら、実倍率2.28倍と程良い。志望者数は1割弱増えている。25年も募集人員約85人と最も多くを割り当てる入試回だが、ハードルは上がりそうだ。 24年に651人が受験した[2日3回]は実倍率3.81倍、同じく318人の[4日4回]は7.95倍と実にハードだった。志望者数を見ると、6割弱増と2倍弱増になっており、本校を熱望する受験生が最後の望みを託すには、極めて過酷な競争状況が25年には予想される。 東京都市大学等々力(世田谷区等々力)は、募集人員180人について、いずれも4科のオーソドックスな入試を4回、英語1科とアクティブラーニング型を各1回行っている。合格コースには、最難関国公立大学を目指す「S特選」と、難関国公立や早慶上理を目指す「特選」があり、それぞれスライド合格も設定している。 [1日1回特選]は実倍率の変動が大きい。22年から順に見ると、1.99倍、3.01倍、2.52倍となっており、志望者数が2割半減ということもあって、25年は2倍台前半まで緩和するかもしれない。[1日午後1回S特]は、24年に455人が受験して、実倍率1.71倍と、すべての入試回で一番低かったものの、志望者数が増加傾向で、25年は1.8倍前後が見込まれる。 [2日午後2回S特]の24年実倍率は2.68倍、465人と最も多い受験生を集めた[3日午後2回特選(S特チャレンジ)]は3.14倍と高めだが、志望者数は微減と横ばいで、25年も同様の競争状況が続きそうだ。 新設される[4日英語1科]は、60分間の筆記試験が課される。非教科型の[4日アクティブラーニング型]は、24年に44人が受験して実倍率6.29倍(23年5.29倍、22年3.4倍)と、なかなかの狭き門である。志望者数は1割増で、25年はさらに門が狭まるかもしれない。