一体どうしたのか…。欧州、絶不調に陥る名門クラブ(1)絶対王者に異変が…。勝てない要因が多すぎる
2024/25シーズンも中盤戦に差し掛かっている。国際大会の影響もあって各選手の疲労が色濃い中、勝利から遠ざかっているクラブも多い。今回は、欧州主要リーグに所属する名門チームの中で絶不調に陥っているクラブを紹介する。※情報はすべて12月8日時点。スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。
マンチェスター・シティ(イングランド) 監督:ジョゼップ・グアルディオラ リーグ成績:8勝3分4敗(4位) プレミアリーグで4連覇中のマンチェスター・シティが絶不調に陥っている。 10月31日に行われたカラバオ・カップ4回戦でトッテナムに敗れると、そこからボーンマス、スポルティングCP、ブライトン、トッテナム相手に公式戦で5連敗。中でも5連敗目となったプレミアリーグ第12節トッテナム戦では、本拠地エティハド・スタジアムで0-4という屈辱的な敗戦を喫した。 公式戦5連敗はジョゼップ・グアルディオラの監督キャリアでも初の出来事。連敗を5でストップしたフェイエノールトとのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の試合も、75分から3点差を追いつかれての引き分けと、“らしくない”ゲームが続いている。 この絶不調の要因はいくつかある。最大の理由は、チームの要であるロドリがアーセナルとのプレミアリーグ第5節で膝の前十字靭帯断裂の大怪我を負ったことだろう。昨シーズンもスペイン代表MFが不在のリーグ戦では4戦3敗と大苦戦を強いられていた。 その代役を務めていたマテオ・コバチッチも11月の代表戦で負傷してしまい、インターナショナルウィーク明けの試合からは中盤のフィルター不足だけでなく、プレス回避もままならない状況が続いている。 経験豊富な選手たちのコンディションが上がってこないことも厳しく、ロドリとコバチッチの代わりに中盤の底で起用されているイルカイ・ギュンドアンは、毎試合のように致命的なロストでピンチを招いている。カイル・ウォーカーやジャック・グリーリッシュといった選手たちも本調子とは言えない。 エースのアーリング・ハーランド以外の得点力が乏しいことも苦しい要因の一つで、ノルウェー代表FWがゴールを決めることができるかどうかがマンチェスター・シティのチーム自体の得点力を左右している。 特に2列目の選手たちの決定力不足が目立ち、昨季のMVPであるフィル・フォーデンと今夏に加入したサビーニョはリーグ戦で0ゴール。ハーランドに次ぐ得点源が左SBのヨシュコ・グバルディオルというのはかなり苦しい。 公式戦8試合ぶりに勝利したノッティンガム・フォレストとのプレミアリーグ第14節では、久々に自分たちらしい形から3ゴールを奪う完勝をみせたが、続く第15節のクリスタル・パレス戦では再び不調なチームへと逆戻り。2年目のマテウス・ヌネスの適応などポジティブな要素もあるが、総合的に見るとマイナスがあまりに大きい。この危機を稀代の名将は乗り越えることができるのだろうか。
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