「半分詰んでる」石破首相を悩ます “裏金議員” 問題…公認すれば世論反発、しなければ落選続々「どっちも地獄」のイバラ道
党総裁選の期間中、「国会で野党と論戦を交わしてから衆院選を実施するのが望ましい」と、与野党の討論後の衆院解散・総選挙が妥当だと話していた石破茂首相。 【写真あり】石破首相、「姉さん」と慕う小池百合子氏と「カンパーイ!」 しかし、総裁に選ばれたとたん、「新しい内閣が発足したら(直ちに)国民に信を問いたい」と豹変して国民を驚かせた。 総選挙は、公示が10月15日、投開票は27日となる。タイムリミットが迫るなか、注目されているのは「裏金事件で不記載があった議員を公認するか否か」である。 裏金が判明した現職議員は82人。そのうち衆院議員は51人に及ぶ。 「下村博文・元政調会長、西村康稔・元経産相は1年間の党員資格停止ですから、公認は受けられません。しかし、同じ処分でも、期間が6カ月の高木毅・元国対委員長は10月3日に処分が明けるので、公認を受ける資格があります。 もちろん、『選挙による非公認』より軽い処分の『党役職停止』を受けた萩生田光一・元政調会長らも、同様に公認の有資格者です」(政治担当記者) こうした議員に対し、石破首相はどのような判断を下すのだろうか。これまでも、裏金議員をめぐって石破首相の態度は揺らいできた。 総裁選への立候補表明では、「自民候補として公認するにふさわしいかどうか、議論は選対委員会で徹底的におこなわれるべきだ」と、厳しい姿勢を示した。だが、党内からの反発を受け、翌日には『新体制になって決めること』といきなりのトーンダウン。 さらに、10月1日の記者会見では、『選挙区でどれくらいの支持を得ているかを把握しながら、公認するか否かを決める』との考えを示しており、方針は決まっていないようだ。 「『再発防止の取り組みを遵守する誓約書を書かせる』『(小選挙区で負けても復活当選できる)比例との重複立候補は認めない』などさまざまな案がありますが、どれも決定ではありません」(同) 党内では「処分はすでに終わっているので、全員を公認するのではないか」という声が大勢だという。とはいえ、裏金議員を公認すれば、世論の反発は必至だ。実際、Xにも、 《自民党、半分詰んでる》 《ガッカリだね、石破 裏金議員公認かよ》 《裏金議員の選挙公認、どうするか? 進も地獄、退くも地獄かな》 など、批判的なポストが圧倒的だ。 判断を誤れば、大幅に議席を減らす可能性が高いため、石破首相にとっては頭が痛いところだろう。政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう語る。 「誓約書なんて紙っぺら1枚。国民からは評価されません。比例の重複立候補から外すのも、選挙に弱い旧安倍派の若手などから猛反発されます。 前回の総選挙で、対立候補と1万票以内のギリギリ差で勝った自民党議員は30人いますが、重複立候補できなければ “死刑宣告” も同然です。党内基盤が弱い石破さんが、それをできるのか。難題ですね」 党本部は、7日までに公認申請するよう、各都道府県連に通達している。これまで裏金問題をあやふやにしてきたツケが回ってきたようだ。