MBSが謝罪 バラエティー密着放送で「仕込み発覚」、「なんとしてもテレビに出たい」ルール無用の業者が仕掛けるヤラセの実態
●テレビが仕込みトラブルを避けるために「密着」をやめる必要はない
テレビ側は業者による仕込みを警戒することはできるが、騙される可能性はどうしてもゼロにはできないだろう。用心のために「誓約書」を作って、口頭でいちいち業者に確認していくのもよいだろう。 そして、遠回りであっても「ゆっくり時間をかけて制作すること」も再発防止になる。「業者や取材相手による仕込み」は短期間で急いで制作した場合に発生しがちだ。ある程度の制作費をかけて、制作会社に余裕を与えることが大切だ。 私がMBSの件を受けて憂慮するのは、放送局が「業者に嘘をつかれたら防ぎようがないから、密着取材はやめてしまおう」と考えてしまうことだ。 「事なかれ主義」の考え方では、良質なノンフィクション系のコンテンツやドキュメンタリーなどの取材ができなくなってしまう。 取材相手との適切な距離感を保ちながら、じっくりとノンフィクション系の良いコンテンツを制作することは、テレビに対する信頼を高めることになる。それは大切な「テレビ業界の未来への投資」だと私は考える。