「Xデーは近い?」住宅ローン利用者必読! メガバンク・固定型は引き上げ…【変動金利】はどうなる
1月に開催された日銀の金融政策決定会合以降、早ければ3月にも「マイナス金利政策」が解除されるとの見方が広がっている。そのため、長期金利は上昇し、メガバンクの固定型の住宅ローン金利は、小幅ながら引き上げられた。では、住宅ローン利用者の7割以上が利用しているという【変動金利】はどうなるのか? 専門家が解説する。 【衝撃画像】人気の「ムサコ」や湾岸エリアでも続々と…いま急増している「タワマン売春」とは何か? ◆「10年固定型の金利」はすでに引き上げへ 1月31日、日銀は、金融政策決定会合で出た「主な意見」を公表した。そこでは、参加者から、「大規模金融緩和策の転換に前向きな発言相次いだ」とされ、にわかに、金融政策変更の思惑が強まっている。 これに金融市場は反応し、長期金利は小幅に上昇。それを受けて、三井住友、みずほ、りそなの各行は、それぞれ10年固定型の住宅ローン金利をこの2月から引き上げている。10年固定型の住宅ローン金利は、長期金利に連動するからだ。なお、ここでいう長期金利とは、残存期間が約10年の10年物国債の利回りを指している。 一方、利用者が圧倒的に多い【変動金利】はまったく動いていない。10年固定型や全期間固定型とは、異なるメカニズムで決定されるからだ。まずは、その仕組みについておさらいをしておこう。 ◆【変動金利】は「短期プライムレート」に連動する 住宅ローンの【変動金利】は「短期プライムレート」(以下「短プラ」)に連動する。正確にいうと、連動するのは「基準金利」の部分だ。基準金利が上昇すれば、実際の借入金利である「適用金利」も上昇することになる。 短プラとは、金融機関が、企業に1年以内の短期資金を融資するときの最優遇貸出金利のこと。個人向け融資では、住宅ローンの他に、自動車ローンや教育ローンの基準にもなっている。したがって、短プラが引き上げられた場合、その翌月には、住宅ローンの【変動金利】だけでなく、自動車ローンや教育ローンも引き上げられる可能性が高い。 ◆日銀の政策金利が「短プラ」に影響する では、どういう状況になったら短プラは上がるのだろうか? 短プラは短期金利に影響を受けるが、実質的には、日銀の政策金利に連動する、といえる。そして、この政策金利とは「無担保コール翌日物」だ。金融機関だけが参加するインターバンク市場で取引される、1日で満期となる超短期の貸出金利のことである。いろいろな略称があるが、以下、「翌日物金利」として説明を続けよう。 日銀は、翌日物金利の誘導水準を決めており、現在は-0.1%。翌日物金利は、日々、-0.1%を軸にして変動しているが、日銀が金融政策を変更しない限り-0.1%という誘導水準自体は変わらない。そして、その日銀の政策変更の第一歩が、「マイナス金利解除」なのである。