「Xデーは近い?」住宅ローン利用者必読! メガバンク・固定型は引き上げ…【変動金利】はどうなる
4月の解除は20%くらいの可能性がある。年度末要因がなくなり、賃金動向も見えてくるため、短プラの引上げにつながらない政策変更があるかもしれない。そもそも、マイナス金利政策とは、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部の金利をマイナスにすること。その副次的要素として翌日物金利の誘導水準を-0.1%にしている。もし、日銀がマイナス金利を解除するなら、翌日物金利は0%にするのではないか。「ゼロ金利政策」の復活である。 この場合、短プラは引き上げられない可能性が出てくる。過去、’16年にマイナス金利が導入されたときも、銀行は短プラを引き下げなかった。今回、当時のようなことが起きても不思議ではない。但し、原則的には、短プラは銀行が独自に決めていい金利なので、日銀の思惑通りにいく保証はどこにもない。 ◆これから約2年間は【変動金利】に変更なし…… 最後に個人的な予想を。マイナス金利解除は、早くても10月の金融政策決定会合ではないか。米国の利下げの進捗次第では、’25年にズレ込む可能性もある。その理由については、これまでの繰り返しになる部分が多いので省略するが、重要なことは、解除されてもゼロ金利政策に戻るだけなので短プラの変更には至らず、よって【変動金利】も引き上げられない、というケースの蓋然性が高い点だ。おそらく、2年くらいは現行の水準が継続されるのではないか。 現在、【変動金利】の住宅ローンを組んでいて、それほど余裕資金がない人は、くれぐれもNISAなどはやらずに、コツコツと繰り上げ返済をしたり、来るべき変動金利の引上げに備えて貯蓄に励むことが賢明だろう。 取材・文:松岡賢治 マネーライター、ファイナンシャルプランナー/証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。
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