便利な揚げ焼き調理器ノンフライヤー。どうやって調理してるの?
油を使わずに揚げ物ができると人気のノンフライヤー。エアフライヤーと呼ばれることもあります。 【全画像をみる】便利な揚げ焼き調理器ノンフライヤー。どうやって調理してるの? 日本でも昨今とても人気ですが、揚げ油くらい高めの温度感で人気出まくりなのがアメリカ。特にコロナ禍のステイホーム期間で爆発的に人気に火がつき、SNSでも関連レシピが多くポストされています。 油を使わないヘルシーなフライヤー…。まるで魔法ですが、ある日突然開発されたまったく新しい調理法なのでしょうか? 突如現れた夢のキッチンガジェットなのでしょうか? 専門家に聞いてみました。
実はコンベクションオーブンの仲間
「フライヤー」というネーミングで勘違いしがちですが、実はノンフライヤーはコンベクションオーブンと同じ調理法なのです。コンベクションオーブンとは、庫内にファンが搭載されており、ヒーターが熱した風をファンで循環させ調理するマシン。コンベクション(Convection)とは対流のことです。 「エアフライヤーは、つまり小型のコンベクションオーブンなんですね。ただ、空気の流れに特化したデザインになっています。エアフライヤーは、通常のコンベクションオーブンよりも空気の流れが5倍ほど速くなっています」 そう語るのは、カナダのゲルフ大学で食物技術を研究する工学教授のKevin Keener氏。 ノンフライヤーの仕組みはこう。熱いメタルコイルの下にある大きなファンが、熱風を上から下へと吹き上げます。食べ物を設置するバスケットの下には、特別な溝のようなものがあり、ここが熱風の通り道となり、食べ物を中心とした熱風トンネルを作り上げます。非常に優れたデザインですが、新しい調理法ではありません。 つまり、ノンフライヤーはコンベクションオーブンを、より焼き揚げ風に最適化した手法だということ。
ノンフライヤーは「揚げ」ていない
油は空気よりも熱流束(単位はW/m2)が高いので、より素早く熱を食べ物に伝えることができます。 揚げ物のカリっパリっは、高い熱流束によって水分が外に逃げる前に、衣ができることで実現されています。揚げ物の熱流束は10W/m2から3万W/m2ですが、ノンフライヤーは、その数字にはほど遠いのです。 Keener教授いわく… 「エアフライヤーは、従来のオイルでの揚げ物のような力は持ち合わせていません。比較すれば、実際に油で揚げれば、(エアフライヤーによる)温風の100倍ほどの加熱力になります」 ノンフライヤーのメニューは、揚げ物ではなくベイク。鶏肉ならば、唐揚げではなくチキンの香草パン粉焼きというのが近いのです。