便利な揚げ焼き調理器ノンフライヤー。どうやって調理してるの?
アメリカのご家庭にはコンベクションオーブンがある
日本ではオーブンレンジが一般的で、コンベクションオーブンがあると料理好きの豪華なキッチンというイメージがあります。ですが、アメリカでは1967年のコンベクションオーブン登場以来、キッチン家電の主メンバー。キッチンの作り付け設備として、賃貸物件でも設置されているところが多くあります。 コンベクションオーブンのデザインはさまざまですが、基本は食べ物を入れるラックの上下に熱いコイルが設置されており、庫内の奥真ん中にファンが付いています。 コンベクションオーブンがすでにあるご家庭は、ノンフライヤーバスケット&トレイを購入すれば、コンベクションオーブンでノンフライメニューが楽しめます。数万円のエアフライヤーを別途購入するよりもずっとお得! では、日本市場はさておき、コンベクションオーブンが標準装備のアメリカ家庭において、なぜこんなにもノンフライヤーが流行っているのでしょうか? ノンフライヤーのグローバル市場規模は7600億ドル(約117兆3000億円)とも言われています。
ネーミングの勝利
オランダの発明家Fred Van der Weij氏が、2005年に昨今ブームとなっているノンフライヤーを開発。通常のフライヤーなしで、ご家庭でカリっとフワっとしたフライドポテトを作りたいと開発されました。Weij氏の試作品を購入したのは、家電メーカーのフィリップス。2010年、フィリップスのノンフライヤー初代モデルがリリースされました。 ノンフライヤー/エアフライヤーは、そのネーミングセンスが勝利の鍵です。多くの人が、その製品名からまったく新しい調理家電・調理法だと思ったのです。ヒットは優れたマーケティングによって実現したのです。一方で誤解を与える表現ということもできるでしょう。 1945年、William Maxsonという発明家が「Whirlwind Oven」というネーミングの家電を開発しました。一説にはこれがノンフライヤーの起源だと言われています。軍向けに冷凍食品の時短調理家電として売れたそうですが、当時の技術的制限もあり、庫内の温度は100℃弱までしか上がりませんでした。 Whirlwind Ovenが、現代のノンフライヤーのようにヒット商品にならなかったのはなぜか。「Whirlwind Oven=旋風オーブン」という名前のせいでしょうね。オーブンという既存アイテムと同じ名称なので、強く人々の注目を惹くことができなかったのです。 ノンフライヤーよりもずっと実際の商品をうまく説明できているネーミングだったのに、なんとも皮肉ですね。