【有馬記念】スピードと持続力を伝える血に注目 ドウデュースら有力馬3頭を血統から評価
有力馬の血統を解説
・ドウデュース 母ダストアンドダイヤモンズはダート短距離の北米重賞勝ち馬で、父ハーツクライにスピードを強化した典型的な成功パターン。本馬は500kg強の雄大な馬格を有しており、馬体が完成した現在は高速時計が出る良好な馬場でLyphard由来の機動力を生かす競馬がベストでしょう。 ハイペースになるとスタミナ面で不安がありますが、逃げ馬不在のメンバー構成なら今年も持ち味を存分に生かせそうです。 ・アーバンシック 3代母ウインドインハーヘアに遡る名牝系に属し、母母ランズエッジは名馬ディープインパクトの3/4同血の妹。さらに、母エッジースタイルは2023年ホープフルS優勝馬レガレイラの母であるロカの全妹であり、本馬はレガレイラと同じスワーヴリチャードの産駒でもあります。 Lyphardの5×6・5を持ち、長く使える末脚を生かす競馬が合う一方、先行争いに弱い点が課題。大跳びのフットワークでもあり、中山内回りの急コーナーも課題となりそうです。 ・ダノンデサイル 母トップデサイルは2014年BCジュベナイルフィリーズ2着馬。エピファネイア産駒の本馬はRobertoの4×5、Seattle Slewの5×4などバランスの取れた配合形となっています。 父の産駒らしい気性の危うさがあり、日本ダービーではようやく本馬の本当の強さを披露しました。中山芝2500mも苦にすることはなく、今回も横山典弘騎手とのタッグ。自身の力を存分に発揮してほしいところです。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大