「茶色い宝石®」で未病改善! 健康維持から難病治療までアプローチする腸内細菌の新たな可能性とは
チャプター2:便に含まれる腸内細菌がカギ! 疲労軽減や睡眠改善の新たな手法
福田さん:それでは「茶色い宝石®」についてお話させていただきます。私たちの便には、腸内環境情報が含まれています。ここから健康社会を実現しようというのが、私たちのコンセプトになります。私たちのお腹の中にはたくさんの腸内細菌がいますが、そのバランスが崩れると、実は色々な疾患につながるということが、様々な研究によりそのメカニズムまで明らかになっています。 福田さん:腸内細菌は腸だけでなく様々な疾患、例えば脳疾患や精神疾患などにも大きく影響を及ぼすことが近年の研究でわかってきています。一方で、腸内細菌のバランスを保つことができれば、そうした疾患の予防にもつながることに加えて、持久力の向上や疲労軽減、睡眠の質などにも影響することがわかってきています。 福田さん:この「お腹の中にどのような腸内細菌がいて、どういう成分を作り出してくれているのか」という情報が、便に出てくるのです。便には宝石と同じくらい非常に価値があるといった意味で、私たちは「茶色い宝石®」と呼んでいるわけです(笑)。 福田さん:私たちのコアテクノロジーは、この茶色い宝石®の中に含まれる腸内細菌と、腸内細菌が作り出す様々な物質を細かく調べることができるというものです。その情報を活用することによって、病気を未然に防ぎ、将来的には病気をなくしていきたいと思っています。 福田さん:実は、どんな腸内細菌がいるか、どんなバランスかというのは人によって違います。この違いが、私たちの体質に大きく影響することもわかってきています。例えば、同じものを食べた場合でも、人によって腸内細菌が異なるため、食べたものから完全に同じ栄養素が体に供給されるわけではありません。そのため、実は同じものを食べても人によって効果があったり、あるいは効果が低かったりすることがわかってきました。 福田さん:腸内環境のタイプ別に、ヘルスケアや医療を考えていく必要があります。そのような背景から、メタジェン社・カルビー社・サイキンソー社の3社で連携して「Body Granola(ボディグラノーラ)」という商品を作りました。ボディグラノーラは、ご自身の腸内フローラを最初に調べた上で、そのタイプに合わせたグラノーラのトッピングを選んで食べていただくというものです。 福田さん:結局、お腹の中に住み着いている腸内細菌は人によって違うので、腸内細菌にどんな餌を与えるかが非常に大事です。自分の腸内細菌に合わないものを食べたとしても、腸内細菌が対処できず、良い成分があまり作られないこともあります。 黒岩知事:「⚪︎⚪︎菌が入っています」というヨーグルトはありますが、タイプ別のヨーグルトはまだないですよね。 福田さん:そうなんです。まだそこまでできていないので、そこを私は社会実装していきたいと考えています。グラノーラは第1弾でしたが、第2弾、第3弾と増やしていきたいです。