ベースフードの主力商品のBASEBREAD。

完全栄養食をうたうパンなどを製造・販売するベースフードが、2025年2月期の中間決算を発表した。売上高は前年同期比で6.5%減の75億7900万円。営業損失は4億7700万円の赤字（前年同期は1億2600万円の赤字）、純損失も5億600万円（前年同期1億3000万円）だった。 【全画像をみる】ベースフード、業績に急ブレーキ。「計画大幅未達」で売上高30億円の下方修正も「通期黒字は維持」【中間決算】 中間決算に合わせて、通期業績予想の下方修正も発表。売上高は190億6600万円から17.5%減の157億2800万円。営業利益は1億6600万円から69.4%減の5100万円とそれぞれ下方修正した。 前年の実績と比較すると、通期の売上高見通しは5.7%増にとどまり、営業利益も「ギリギリの黒字化」といった状況だ。前期は通期売上高で50%成長、上場前も含めればさらに高い急成長を続けていたことを考えると、その勢いに急ブレーキがかかった形だ。 ベースフードは下方修正の要因について 「卸チャネルにおいて、増収予想の重要な要素であった新商品の売れ行きが当初の想定に達していないことから、計画を大幅に下回る結果となりました」 と説明している。

コンビニでの新商品「大幅未達」

ベースフードは、事業セグメントを自社EC、他社EC（アマゾンなど）、コンビニやドラッグストアに展開する卸チャネル、海外の4つに分類している。 今回、急ブレーキの主要因になったのは卸チャネルだ。売上高の見通し修正の内訳を見ると、卸チャネルでマイナス24億6000万円の下方修正となっている。 ベースフードではこの5月に主力商品であるロングテール商品のBASEBREADシリーズと異なる、日持ちのしない加工食品（日配品）の新シリーズ「BASEBREAD ツナ・ソーセージ」（消費期限：製造日＋3日）を発表していた。これが想定通りに売れなかった。 日配品は商品の入れ替わりが激しく、当初予想より早く終売。「売れ⾏きや販売スケジュールの変動により、計画を⼤幅に未達」（ベースフード決算資料より）という結果となった。 この要因について、ベースフードは「価格設定と店頭の認知に課題があった」と分析しており、今後堅調に推移している既存のBASEBREADシリーズを中心とした新商品の展開や、トライアル層向けのパッケージ変更などを増やし売り上げの回復に努めていくとしている。 ベースフードは、2023年10月に一部商品にカビの多発が確認され自主回収となった影響で、2024年1月にも2024年2月期（前期）の通期業績を下方修正していた。ただ、2024年2月期通期決算では売上高は前年比約50%増で着地。四半期別に見ても、2025年2月期第1四半期の決算では売上高が成長傾向へと改善するなど、回復傾向にあった。 サブスク会員も直近四半期末で22万4000人、自社ECによる販売だけを見ると堅調だ。8月には値上げも実施し収益性を改善した。今後、自社ECによる販売割合の増加や、配送の最適化、福利厚生や新規採用の出費見直しによる人件費の大幅抑制などを通じて、通期黒字の目標を維持していきたい考えだ。