「強烈な暴力で死亡させ」…両腕にタトゥー男「元交際女性の4歳児が壮絶虐待死か」黒い憎しみの中身
「抵抗できない幼児を強烈な暴力で死亡させた極めて悪質な犯行だ」 12月24日、横浜地裁で行われた裁判員裁判で検察側は被告の犯行をこう断罪し懲役12年を求刑した。 【生々しい実態…】壮絶暴行の男「元交際女性の4歳児が壮絶虐待死」両腕のタトゥー写真 傷害致死などの罪に問われているのは、無職の内田正也被告(32)だ。’18年1月に、当時交際していた女性Aさんの長男B君(4歳)を横浜市鶴見区のアパート内で壮絶な虐待を加え死亡させたとされる。 「裁判にはAさんも出廷し、こう訴えました。『最後まで本当のことを話さない被告に怒りを覚えます。刑はできるだけ長くしてほしいです』と。一方の弁護側は『(B君が)痰詰まりやソファーからの転落で死亡した可能性がある』とし無罪を主張しています」(全国紙司法担当記者) 検察側と弁護側の意見が真っ向から食い違う、この事件。専門家の意見から背景にあった内田被告の歪んだ黒い憎しみの中身を解説し、犯行の詳細を振り返りたい――。 ◆「子どもを殴るので別れたい」 事件の予兆はB君の死の4ヵ月前にもあった。内田被告はB君に以前から暴行を繰り返していたと思われる。’17年9月に、Aさんが内田被告の虐待について警察へ相談していたのだ。 「AさんはB君を連れ、警察に『同棲相手が私の子どもを殴るので別れたい』と話していたそうです。額をひどく腫らしたB君も『叩かれて恐い』と語っていたといいます。警察はその日のうちに内田被告を任意聴取。叩いたことは認めつつも、『叱るために殴った』と虐待の意図は否定していました」(全国紙社会部記者) 警察は児童相談所(児相)にも報告。児相は複数回、家庭訪問をしていたが事件は防げなかった。 「’18年1月、内田被告自ら次のような119番をしたそうです。『子どもが遊んでいた部屋からドスンという音がしました。意識を失っています』と。救急隊員が駆けつけた時にはB君はすでに心肺停止状態。病院に搬送されましたが死亡が確認されます。Aさんは仕事のため外出中で、内田被告とB君はアパートで2人きりでした。 B君の死因は、首や頭に前後から強い力が加えられたことで起きた頸髄損傷による脳浮腫です。担当した複数の医師が『事故死の可能性は低い』と主張。一方の内田被告は警察の任意聴取に対して『(B君は)自分で転んだ頭を打った』『(内田被告は別室にいて)見ていなかった』と矛盾した説明を繰り返したため、警察は捜査に踏み切りました」(同前) ◆「交際女性の過去を想像」 ‘22年8月、神奈川県警捜査一課は事件から約4年たちようやく内田被告を傷害致死容疑で逮捕する。本誌は内田被告の送検を撮影。両腕からは生々しく彫られたタトゥーがのぞいていた。 神奈川県警元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が、逮捕までに時間がかかった背景と内田被告の歪んだ黒い心理について解説する。 「おそらく元交際相手のAさんが捜査に応じ、B君のケガを診てもらった診断書や画像などの情報を提供したと思われます。内田被告が行ったとされる虐待は、B君と2人きりの密室で行われたため証拠が少なく立証に時間がかかったのでしょう。証拠が少ないために、暴行がうやむやになり事故死として扱われてしまうケースは残念ながらあるんです。 起訴内容からは、内田被告はB君に歪んだ感情を持っていたとみられます。内田被告にとってB君は、Aさんの元彼、もしくは元夫の子どもになるでしょう。愛情を寄せる女性が過去につき合っていた男性の『分身』として、B君に憎しみを抱いていたのかもしれません。以前、連れ子を虐待した男性に話を聞いたことがあります。彼は『子どもは好きだが連れ子を見ると交際女性の過去を想像してしまい、つい手をあげてしまう』と語っていました。自分勝手な感情で、決して許されない言い分です」 冒頭で紹介した内田被告の裁判の判決は、1月21日に言い渡される予定だ。
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