お年玉の平均は小学生2万1000円、中学生2万7000円…子どもを浪費家に育てないための「親の声かけ」
お正月に家族や親族で集まった際の恒例行事が「お年玉」だ。金融教育家の上原千華子さんは「子どもにとって、お年玉をどうやってもらって、どう使ったかという経験が将来の金銭感覚に影響を与える。大人がお年玉をあげるときの声かけが重要だ」という――。 【図表】小学生~高校生がもらうお年玉の平均値・中央値 ■小学生が2万円も手にする珍しい機会 「お正月といえばお年玉」。年に一度子どもが大きなお金を手にする機会です。子どもにとっては嬉しい臨時収入ですが、大人にとっては経済的な負担になりますよね。 お年玉の由来は諸説ありますが、お正月に年神様へ供えた餅を分け合う風習が、家族や目下の者に品物や現金を贈る形へと変化したと言われています。 「どれくらいの金額を渡すべきか」「お金の使い方をどう教えるか」など、悩む大人も多いのではないでしょうか? まずはデータをみてみましょう。 株式会社インテージの調査によると、お年玉の予算総額は平均2万5099円となっています。子ども一人に渡す金額を学齢別にみると、小学生1000~3000円、中学生3000~5000円、高校生5000~1万円が多くなっています。 また、学研教育総合研究所の調査によると、子どもがお正月にもらったお年玉の総額は、中央値で2万~2万5000円となっています。
■「使える金額は2000円まで」という家庭も ここで取材に基づく実例を紹介します。 ケース1: 小学生の子どもがいる家庭 お年玉の開始時期: 5歳ごろから 金額: 小学生低学年3000円、高学年5000円。ただし使用できる額は2000円まで あげる時の声かけ: 使える金額が少ないというので、「クリスマスとお誕生日、お正月が近いからね」と言って聞かせた 管理方法: 一部を自由に使わせ、残りを貯金 課題: 子どもがメイク道具を大量に購入した際、本当にそんなに必要だったのか、一緒に考える機会を持った ケース2: 大学生の子どもがいる家庭 お年玉の開始時期: 祖父母や親戚からはもらうが、自分の子どもにはあげていない 金額: 小学生以下500円、小学生3000円、中高生5000円 あげる時の声かけ: (親戚の子どもに)「はい、どうぞ」 管理方法: 小学生までは親が管理し、中学生以降は自己管理 課題: 特になし ケース3: 大学生の子どもがいる家庭 お年玉の開始時期: 2歳から 金額: 高校生の時にMAX1万円。妻と相談して決めていた。 あげる時の声かけ: 「将来に備えて貯金するといいよ」 管理方法: 親が管理 課題: 特になし ■余興としての「現金つかみ取り大会」 ケース4: 子ども時代の振り返り お年玉の開始時期: 幼稚園ごろから。親戚一同で「現金つかみ取り大会」を楽しんだ 金額: 中・高・大学生で1万円程度 あげる時の声かけ: 「好きな物を買ってね」 管理方法: 高校から自己管理 課題: 特になし 家庭の方針によって、お年玉のあげ方・管理方法はさまざまです。ケース4の「現金つかみ取り大会」は、とてもユニークですね。 祖父の誕生日祝いを兼ねて、親戚一同が長男の父宅に集まり、余興として「現金つかみ取り大会」があったそうです。梅干しを漬ける大きなビンに500円玉以下の硬貨がたっぷり入っており、つかんだ分だけお年玉としてもらえるルール。大人も子どもも楽しんだ記憶が鮮明に残っているとのこと。 そのほかにも、「お年玉は通帳に入れて親が管理して、ある程度貯まったら普段買えないようなPCなどを子どもに買った」などの意見がありました。ぜひ参考にしてください。