チョコレートが包む甘い芸術作品 フェリシモのミュージアムで有名パティシエが出展
■世界中から寄贈
ミュージアムは令和3年10月にオープンした。受付前にはフェリシモがお勧めするチョコレート菓子のセレクトショップがあり、購入できる。
入り口でミュージアムのロゴマークのプレートが目に入る。CHOCOLATEの文字は「宝石になぞらえたチョコレートの一粒一粒をイメージ、全体が一つの宝石箱のようになっている」とミュージアムの能勢加奈子マネージャーは説明する。
チョコの甘い香りがあたり一面に漂い、館内へと誘い込まれる。香りの元はカカオハスク(カカオ豆の種皮)を敷き詰めたオブジェだ。
常設展のコーナーは「見せる収蔵庫」と位置付けた。床から天井まで壁一面695段のショーケースを配し、約500ブランド、約1800点のパッケージを保存・管理しつつ鑑賞できる仕掛けとなっている。「後世に残すべき貴重な資料」(能勢マネージャー)と自負する。
今回の企画展は10月12日に始まり、来年4月6日まで。小山氏がこの展覧会のためにチョコレートで作った恐竜像が10体並ぶ。幼少期に粘土遊びに夢中になった小山氏はパティシエとして「チョコレートの固まる、溶ける、高速回転で粉砕すると溶ける前に一瞬粘土のような状態になる性質や、その扱い方を学んだ」という。
企画展のパートⅡでは小山氏が作るお菓子のパッケージが披露されている。小山氏はお菓子を食べる子供たちの姿を想像しながら創作する。お菓子のパッケージは「子供たちが手に触れることを許されたアート作品」と定義、「ひとつひとつにさまざまな意図を込めた」としている。
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小山進(こやま・すすむ)昭和39年、京都市生まれ。神戸の「スイス菓子ハイジ」に入社後、数々の洋菓子コンクールで優勝し独立。平成15年、兵庫県三田市に「パティシエ エス コヤマ」を開業した。ショコラティエとしては2019年に「世界のトップ・オブ・トップ ショコラティエ100」に選出、「インターナショナル・チョコレート・アワーズ」で2013~17年まで「世界大会」に連続して複数作品で金・銀・銅賞を獲得するなど国際舞台で活躍している。