見守るだけでは子どもの"社会復帰"はムリ…「学校に行かない子」「自宅に引きこもる子」が日本中に増えたワケ
■いかに生活リズムを正すか 高卒支援会、不登校・引きこもり予防協会が行っている、立ち直りのための「3つのステップ」のうち、ステップ1を詳しくご紹介します。ステップ1は、次の順番で立ち直りを実行していきます。 ---------- 学生インターンの訪問 最初はベテランスタッフと二人で訪問、その後一人で訪問 ↓ 身なりを整える お風呂、歯磨き、ヘアカットなど ↓ 外出を促す 週1回でも家から出るようにする ↓ 大人とコミュニケーションをとる 今後の通学先となる居場所の大人と信頼関係を築く ↓ 規則正しい生活 通学を週1回から5回へ増やしていく ---------- ■最初の訪問は拒否反応を覚悟する 訪問の前に、両親に十分に聞き取りをして、子どもの成育歴から趣味、家の間取りまで調べます。間取りを調べるのは、子どもが嫌がって脱走することや、万一の危険な場合に備えて避難経路を確認するためです。 聞き取った内容を総合して、その子どもと相性のよさそうなスタッフとインターンを決め、作戦を練ります。 訪問することは両親から子どもに事前に伝えてもらいますが、ケースによっては伝えないで行くこともあります。 最初の訪問は、ベテランのスタッフが行きます。 初回の訪問では、挨拶や趣味の話などが中心です。焦って学校の話や進路の話などをしてはいけません。コミュニケーションを深めることだけにとどめておきます。 最初から口をきいてくれる子どもばかりではありません。 ドアを開けてくれない、トイレに閉じこもる、脱走する、部屋に入れてもずっと布団をかぶったまま、などさまざまなケースがあります。 本人と話せない場合は、部屋のドア越しや布団越しに話しかけたり、手紙を置いていったりします。 訪問が終わった後、特に事前に伝えていない場合は、たいてい子どもが親に怒ったり、暴力をふるったりする拒否反応が見られます。これも織り込み済みです。 そもそも一直線によくなっていくことはありません。 よくなったと思ったら、また悪くなって、その後にまたよくなる、というように、上がったり下がったりしながら、徐々によくなっていきます。一喜一憂しないで、ご両親は冷静に構えていましょう。