【中日】井上新監督 R・マルティネスの巨人流出にも…ポジティブ全開「出さなきゃいいじゃん」
【取材の裏側 現場ノート】中日から自由契約となっていたライデル・マルティネス投手(28)の巨人入りが決まった。先月まで竜の守護神だった男は「読売巨人軍と契約できたことを心からうれしく思っています。2025年がジャイアンツの年になるように頑張ります」と球団を通じてコメント。NPBナンバーワンストッパーの流出は、3年連続最下位からの巻き返しを狙うドラゴンズにとって大きな痛手となりそうだ。 「来年の地元開幕戦(4月1日)が巨人戦ですけど、もしライデルが巨人に行った場合、バンテリンドームの開幕戦でいきなり9回に…」。まだマルティネスから断りの連絡が来ていなかった今月11日、地元ラジオ番組に出演した直後の井上監督にこんな言葉を投げかけた。 すると井上監督は笑みを浮かべながら、こう返した。「出さなきゃいいじゃん。(マルティネスが9回に)出てくる展開にならなきゃいいじゃん。何(マルティネスが、9回に)出てきますけどみたいな感じで言うの(笑い)。出ませんから!」。地元開幕戦ではマルティネスがマウンドに上がる展開にはしない。竜の新指揮官は明るくポジティブに、今季のリーグチャンピオンに宣戦布告した。 中日は15日に来季のスローガンが「どらポジ Very Positive Dragons」に決まったことを発表した。これは井上監督が考えたもの。「〝どら〟というのはドラゴンズのドラ。〝ポジ〟というのはポジティブ。ひたむきに前向きにやっていこうじゃないかという意味合いを含めて、ドラゴンズポジティブをギュッと縮めて考えました」という。 「(もしマルティネスが移籍したら)何でジャイアンツに獲られるんだという声もあるかもしれない。でも、俺は財力も戦力だと思う。それはしょうがない。結果を受け止めるだけ」。井上監督は11日のラジオ番組出演後にこう語っていただけに、自身考案のキャッチフレーズのようにすでにポジティブに切り替えているはずだ。 指揮官の言葉通り、来季の巨人戦ではマルティネスが出てこられないように、リードを奪ったまま終盤を迎えることができるか。注目したい。(中日担当・宮本泰春)
宮本泰春