「日本はかなり効率的だった」選手村の食材不足問題に“生肉提供”を受けた英選手が不満吐露「かなりカオス」【パリ五輪】
ついに開会式が実施され、晴れやかな催しとともに本格的な開幕を迎えたパリ五輪。そんな4年に一度の檜舞台で、身体が資本となるアスリートにとって小さくない問題が起きている。選手村の食堂の「食材不足」だ。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 開幕に先駆け、7月18日にオープンした選手村には連日各国の選手団が続々と入村。担当スタッフたちの稼働も忙しなくなる中、選手たちからメインレストランの提供される食事量が不十分だという指摘が噴出。1日平均で約4万食を提供する宣言していた調理運営担当の『Sodexo Live!』社と、食材を準備する世界的スーパーマーケットチェーン『Groupe Carrefour』社が謝罪する異例の声明を発表した。 当該企業は改善を誓っているが、やはり運営側の準備不足は否めない。この不測の事態に反発したのが、英国選手団だ。同国のオリンピック委員会で理事を務めるアンディ・アンソン氏は、英紙『The Times』の取材で「いかなる大会においてもいくつかの問題はおきる」と理解を示しながらも、「しかし、選手村の食糧不足は経験がない」と指摘。 さらに「卵や鶏肉、炭水化物といった一定の食料が不足している。それから、食事のクオリティにも問題がある。選手には生肉が提供されているんだ」と食事の品質を含めた選手村の現況に問題提起をしている。 「今後数日間で抜本的に見直す必要がある。選手たちの需要が想像をはるかに超えているため、私たちはシェフを雇わないといけなくなった。選手たちは、選手用の食堂で食事を取ること自体を嫌がっている。だから我々は夕食用の食事も用意している状況だ。我々は選手たちが満足に食事をとることで、競技で優位に立てるように努めている。それが最大の問題だ」 選手たちからも不満の声は漏れている。 メインレストランには3300席が設けられているというが、『The Times』の取材に匿名で回答した英国選手は、「食事にかなり苦労している」と吐露。21年の東京五輪と比較し、「日本はかなり組織化されていたし、不満はなかった。でもここは全く組織化されていない」と食堂の回転率の悪さなどに苛立ちを隠そうとしなかった。 「ここ数日で大勢の参加者がやって来て、今じゃ食事会場はかなりカオスだ。ピーク時に食事を取りに行くと、簡単な鶏肉料理すらも食べることが難しい時もある」 開幕を迎えてパニックが生じている選手村。抜本的な見直しが求められる中で、運営側はアスリートたちの不満を解消させられるのだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]