内側は「水道水拭き」NG! クルマのフロントガラスを本当にクリアにする方法とは?
内窓の掃除も念入りに
一方、フロントウインドウ外側を綺麗にしたはずなのに、視界にムラがあることがある。それはフロントウインドウ内側の汚れである。「外界からの影響を受けないのになぜ?」と思うかもしれないが、空気中に漂うホコリ、喫煙車ならタール×ホコリが内窓にべったり付着し、視界をマダラに曇らせてしまうのだ。湿気の多いときにはなおさら気になるはずである。 「でも内側だから、水道水で絞ったクロスで拭けばいいじゃん……」と普通は思うわけだが、じつは水道水を使った拭き上げはNG。水道水にはナトリウム、カルシウム、マグネシウム、ケイ素に加え、浄水処理で塩素も含まれ、洗車用の水としてはそれらが不純物となってしまい、ムラの原因となる。プロの洗車で純水を使うのも、そうした不純物を避けるためなのだ。 そこで内側も、界面活性剤を含まないクルマ専用のガラスクリーナーを使うか、純水製造機の導入は無理だとしても、スーパーや薬局で安価に(100円~)売っている精製水を綺麗なクロスにつけて拭き上げるのが理想。ウインドウ外側の汚れは目に入り気づきやすいものの、あまり汚れなそうなウインドウ内側にも知らず知らずのうちにホコリなどの汚れがべったりと付着し、視界を悪化させる原因となることを覚えておいてほしい。 とはいえ、フロントウインドウ内側は、ダッシュボードの奥行きが長いミニバンなどでは手が届かないし、フロントウインドウ下部の隙間に手が届かない……ということもあるだろう。だから内側のケアはほったらかし……なんて人も少なくない。 そこで筆者は、クルマのウインドウ用モップを使っている。全長は約40cmあり、手の届きにくい場所のふき取りも容易。モップ部分は外して洗えるから便利である。このモップ部分に精製水を付けて絞って拭き取れば完璧だろう。 このように、ウインドウの外側と内側をマメにケアしてやれば、安全運転に直結する、ムラのない、クリアな視界が確保できるというわけだ。 このような方法でクリアな視界が確保できればいいのだが、現実問題なかなかそうもいかない場合がある。その原因が、まずはしつこい油膜、シリコン被膜。とくにワックスをかけているクルマに見られる(ワックス成分がルーフからウインドウに流れ落ちる)。 これにより、雨の日にワイパーを使ったとき、油膜を引きずり、視界を白くギラギラと悪化させるのだ。そんな悩みの解決には、筆者も長年愛用し、プロも使っている油膜落としの定番、プロスタッフの「キイロビン」「キイロビンゴールド」などを使って落すといい。処理後、水をスプレーして、水を弾くところは完全に落ちていない証拠で、再処理していけば、ギラギラ視界の原因になる油膜をすっきりと落とすことができる。 しかし、それ以上にやっかいなのが、ガラスに付着したウォータースポット=ウロコ状のシミ(リング状の凸凹)だ。これはウインドウに撥水剤を塗布して放置したままだったり、クリーニングをマメにおこなっていないクルマのガラスに見られる、クルマを野暮ったく見せるかなりやっかいなシミである。 もちろん、ガラスクリーナーや油膜取りでは落とすことができず、かつてはプロ用のガラスコンパウンドなるケミカルで処理していたのだが、いまでは筆者も愛用しているソフト99の「ガラスリフレッシュ」といった、ガラスのウォータースポット専用のケミカルが効果的。付属のパッドを使うことで、ガラスに付着したウォータースポット=ウロコ状のシミをすっきり落としてくれるのだ。 1回で落ちきれなくても、何度か作業することで、ガラスがスッキリ、クリアになる。その結果、同乗者に「ガラスがないみたい!?」といわせるほどの仕上がりが期待できる。洗車をサボったり、中古車を買って、ウインドウにそんなシミが付いたら、ぜひ試してほしい。
青山尚暉