【毎日書評】自分が大切にする「価値観」を2つに絞ると行動が変わり、人生が好転する理由
タイトルからもわかるとおり、『境界知能の僕が見つけた人生を楽しむコツ』(なんばさん 著、フォレスト2545新書)の著者は境界知能の当事者なのだそうです。 境界知能とは、IQ(知能指数)85~115の平均よりも低く、知的障害とされるIQ70未満の範囲にも収まらない、IQ70~84の領域を示します。 当事者が自分が境界知能であることを公表し、本を執筆するケースは僕だけかもしれませんが、境界知能の人が珍しい存在かというと、まったくそんなことはありません。なぜなら、人口の14%、7人に1人が境界知能の領域に含まれます。 30人のクラスではおよそ4人、日本全国で1700万人ほど存在している計算になります。(「まえがき 境界知能の当事者による『生きづらさ』解決法」より) ところが、たとえ境界知能の当事者であっても、それを自覚している人はほとんどいないようです。著者の場合は知ることができたものの、普通に生活しているなかでは自分のIQを知る機会は少ないからです。 しかも境界知能の人は、平均的なIQの人よりもさまざまな生きづらさを抱えているといいます。境界知能の自覚がないまま生活していると、「なぜ、みんなと同じように勉強や仕事、コミュニケーションができていないのだろう」というような漠然とした疑問や劣等感がつきまとうわけです。 そこで著者は自らが運営しているYouTubeチャンネル「なんばさん/境界知能×HSPちゃんねる」を通じ、境界知能のために生きづらさを感じている方々に向けて「自分らしく生きる」ための手段を伝えているのです。 本書は、そうした活動の延長線上に誕生したもの。著者自身の出自や経験、YouTubeでの活動で得たものなどを通じ、境界知能の人の生きづらさが解消される習慣や考え方、ライフハックなどを伝えているのです。 きょうは第2章「自分を満たすと、人間関係がうまくいく」内の、「人生や人間関係で迷わないための価値観の見つけ方」という項目に注目してみたいと思います。 境界知能の人のなかには、自分自身のことをよくわかっていない人が少なくないというのです。つまりそういう人は、自分自身の価値観に気づいていないということ。だからこそ、そこを修正する必要があるわけです。