浦和「復調」の陰に中島、柏「A代表に呼ぶ」第2のヒロキ、「レベルが違う」FC東京2人、川崎F「空中戦を制圧」U-23CB【J1「まさかの前半戦」と「マジかの後半戦」大激論】(5)
2024年のJ1リーグが、折り返し地点にたどり着こうとしている。20チームで臨んだ前半戦は、良い意味でも悪い意味でもサプライズがあった。また、後半戦の展望につながる新たな材料も見つかった。前半戦をいかに消化し、後半戦に昇華させていくのか、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。 ■【映像】後半の中島翔哉の投入で戦況が一変【浦和レッズ×ヴィッセル神戸】激闘ハイライト
■復調の浦和「ゴール前の三角形」にもろさ
――浦和レッズはいかがですか。 大住「良くなってきたよ」 後藤「そうなの?」 大住「何が良いかというと、中島翔哉が素晴らしいんだよ。おそらく2018年の秋以来の絶好調ぶりだよ。中断前のヴィッセル神戸戦では点を取ったし、これからもっと話題になっていくと思う。今の調子だったら、日本代表に入れていいくらいだと思っている。浦和がチームとしてパッとしなかったのは、ペア・マティアス・ヘグモ監督が引っ提げてきた4-3-3のシステムに当てはめられた選手たちが、こう動かないといけない、ここにいないといけないと言われたかのようにギスギスして、動きが活発じゃなかったから」 ――中島が変化を起こしたのでしょうか。 大住「左ウィングで使われるようになると、中島はそんなことお構いなし、とでもいうように自由に動いて、自由にドリブルやパスを繰り出すんだよね。そうすると周りの選手も、中島が内に入れば自分は外に出ていき、中島が下がってきたら上がっていくというふうに、すごく動きが活発になってきたんだよね。ただ、守備の面で去年は安定感があった西川周作、マリウス・ホイブラーテン、アレクサンダー・ショルツによるゴール前の三角形にもろさが出ている。そのバランスが取れてくれば、優勝争いまでは難しいかもしれないけど、これから十分、上がっていくと思う」
■大きく輝いていた柏の右SB「第2のヒロキ」
後藤「序盤の浦和を見たら、本当に動きがなくて、同じパターンのプレーしかしていなかった。それがどうやって変化が出たのかと思ったら、中島が鍵だったのか。中島は守備もやっているの?」 大住「そうなんだよ。しっかりやっているよ」 後藤「へえ~。じゃあ、進歩したんだね」 大住「すごく良くなった。神戸戦では、前半の浦和は全然ダメだったんだけど、後半から中島とサミュエル・グスタフソンが入ったら、試合の流れがまったく変わって、神戸はタジタジだった。中島を見るのは面白いよ」 ――他に目を引いた個人はいますか。 大住「柏レイソルの右サイドバック、関根大輝だよね。過酷なU-23アジアカップから帰ってきて、2試合くらいはダメだったらしいんだけど、川崎フロンターレ戦を見たら本当に大きく輝いていた。チームが負けた試合でも、非常に高いレベルのプレーをしていたよ。攻撃的なセンスがあって、技術も高く、スピードもあり、背も高い。名前が同じだけに、“第2のヒロキ”だよね。酒井宏樹のような、国際的な右サイドバックになりそう」 後藤「右サイドバックには去年、毎熊晟矢が出てきて、今年は濃野公人も関根も出てきた。彼らのうち、誰かが左サイドでもプレーできないかな」
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