“解像度の高い人”が「ハッ」とする意見を言える訳 ほかの人との違いは「抽象化思考力」
企画部長:「おぉ……」 Dさん:「うちの会社は雑貨のメーカーですよね。雑貨って、まさに人の日常のそばにあるものなので、雑貨に『レトロ』を組み合わせるのは、一つの解決策になるのではないかなと」 さて、いかがでしたか。あなたも、Dさんの話に思わず「ハッ」とさせられたのではないでしょうか。 商品企画部であるからには、商品がより売れるようになるためのアイデア、すなわち「解決策」を提案できないといけません。しかし、反応を見ているとBさん・Cさんにはそれは難しそうです。
なぜなら、Bさん・Cさんはたまたま「情報」を知っていたというだけで、意見そのものはほかの誰にでも言えそうな意見で、思考の幅広さがありません。 ■Dさんとほかの人との違いは「抽象化思考力」 一方、Dさんの意見はどうでしょうか。ほかの誰もがなかなか至らない、「自分なりの気づき」を持っています。おそらく、ここまでの意見が言える人はそうそういないでしょう。これはまさしく「解像度が高い人」の2つ目の特徴である「ユニークで鋭い洞察を得ている」状態です。
この「誰にでも言える『安易な意見』しか言えない」悩みは「具体化思考力」では解決できません。なぜなら、「具体化」は既存のものを細かく見ることであり、そこから「新たな気づき」にはなかなか至らないからです。 では、どうしたらこの悩みを解決できるのでしょうか。それが「抽象化思考力」です。 抽象化とは「共通点から成功法則を導き出す力」です。 この「抽象化思考」から生み出される成功法則はまさに「物事の本質」ですので、だからこそ新しくかつ納得感のある「鋭い洞察」となり、人を魅了するのです。この「抽象化思考力」はあなたの思考の「画像幅」を広げ、幅広い多様な考えを持つことができるようになります。
■「話がいまいち、ピンとこない」と言われる… そして、「解像度が低い人」の困りごとはもう一つあります。それが「『話がいまいち、ピンとこない』と言われる……」です。こちらも、見ていきましょう。 今回はあなたではなく、第三者の目線から登場人物のやり取りを見てみましょう。 【SCENE3 商談】 ・登場人物:クライアント(部長クラス)、Aさん(営業) ・内容:新商品開発の提案 Aさんは営業パーソン。今日はクライアントに新商品開発の提案にやってきました。