「NHK Tech EXPO」一般公開 最新の機器や放送を支える取り組みを紹介
NHKは放送現場を効率化するアイデアなどから生まれた番組制作を支える新たな取り組みを紹介する「NHK Tech EXPO(旧NHK番組技術展)」が27日に、NHK放送センター(東京都渋谷区)で一般公開した。会期は29日まで。 【関連写真】簡単に使える音声ガイドアプリ 今年は、「Techを体験・体感!」「よりよいコンテンツを!よりよい制作環境で!」「必要な情報を確実にお届け!」のテーマに、全国のNHKの放送現場で得たノウハウやアイデアなどを生かして開発した最新の機器や放送・デジタル・サービスを支えるTechを生かした22個の取り組みを紹介している。 会場では、「プロ野球テレビ観戦用音声ガイドアプリ」を紹介。テレビで放送されているプロ野球中継の試合の進行状況に加え、選手の表情やベンチの様子などをスマホなどに配信して音声で補足する。このアプリにより、目が見えない・見えにくい人も家族や友人と一緒にテレビを楽しめる。 また、NHKの音声合成システムで生成し、ほかの音声や動画と結合させることで実現した「ワンワンありがとう動画生成システム」、ARを用いた映像体験アプリケーション「バーチャルパペット」、8Kコンテンツをお手軽に再生する「拡張型8Kプレイヤー」のAIやARなどの最新技術が紹介されている。 「地域局番組でもぴったり字幕」では、NHKプラスの全国向け番組配信で運用中の機能をクラウド上に再現したシステムを展示。これまで放送映像・音声よりも字幕の表示が遅れる生放送番組の字幕の課題を解消する。 「大迫力!H3ロケット打ち上げ映像」の展示では、2月にJAXAの新型ロケットH3試験機2号機を打ち上げた時の迫力ある映像を紹介。6Kカメラを使ったマルチカメラシステムと4K360度カメラで収録した。 また、JAXAが中心となって進めている火星衛星探査計画の探査機に搭載予定の「SHVカメラ」も紹介。NHKは本探査機にSHVカメラを2式搭載し、火星と火星衛星のSHV映像で、火星の最接近やフォボスの地表などの撮影を計画している。
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