全国マーチング小学生の部、福島県勢は野田と吉井田が銀賞
第52回マーチングバンド全国大会は14日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開幕し、初日は小・中学生の部が行われた。県勢は小学生の部の大編成で福島市の野田、吉井田の2校が出場し、いずれも銀賞に選ばれた。 日本マーチングバンド協会の主催。小・大編成を合わせて小学生の部に30団体、中学生の部に21団体が出場した。
野田「失敗恐れず」
13年連続29度目の出場となった野田は、ドボルザーク作曲の交響曲第9番「新世界より」第1、2、4楽章に挑戦した。部員51人で挑んだ大舞台に中嶋陽菜(ひな)部長(6年)は「最後まで失敗を恐れずに演奏と演技を貫けた」とうなずいた。 テーマに掲げた「福島から世界へ」の表現に腐心した。故郷を離れて渡米したドボルザークの境遇を重ね、福島を離れて全国の大舞台に立つ気持ちや、これからの将来を思い描く音色と演技を追求。顧問の荻野耕平教諭は「今のベストを示してくれた。演奏と演技が終わってほしくないと思ったほど」と目を細める。 大舞台の重圧から解放された中嶋部長は「家族や友人、先生など誰かに届ける気持ち忘れずに臨めた」と笑顔を見せた。
吉井田「心一つに」
9年連続25度目出場の吉井田は、「スポーツの力」をテーマに古関裕而=福島市出身=作曲の「栄冠は君に輝く」や表彰式の定番曲「見よ 勇者は帰る」など全7曲を奏でた。三浦朱音(あかね)部長(6年)は「心を一つに悔いのない演奏ができた」と涙を拭った。 部員42人がスポーツを通じて育む成長の表現に心を砕いた。仲間との絆や競技に打ち込む楽しさは、マーチングバンドと重なる部分も多い。「私たちが一番楽しむ気持ちで本番に臨もうと思った」と三浦部長は振り返った。 春先は列もそろわないなどの課題もあった。しかし時期を経るにつれ、何十回も同じところを繰り返し練習する集中力を発揮。顧問の油井敏郎教諭は「本当に強くなった」とたたえた。
福島民友新聞社