<天皇杯準々決勝>新興勢力が躍進 縮む地域差
第93回天皇杯準々決勝(22日)は、大分-横浜、鳥栖-川崎F、仙台-東京、広島-甲府という関東勢が3クラブ、東北、甲信越、中国、九州2クラブという顔ぶれとなった。Jリーグ開幕(1993年)から昨季までの20大会のベスト8以上に残ったクラブの地域分布を見てみると、準々決勝、準決勝、決勝といずれも関東勢が4割以上の多数を占めている(表1)。 Jリーグ開幕から来季2014年までの22年間で、J1(98年までは「Jリーグ」)に在籍したクラブの各シーズン合計数は延べ363クラブで、関東のクラブが約45%(表2)であることを考えると妥当な数字ともいえるだろう。
しかし、今年の天皇杯は例年と大きく違う。大分、鳥栖、仙台、甲府と関東以外の新興勢力が数多く残っており、強豪クラブの存在する近畿・東海勢がゼロであるというところだ。中でもJ開幕後、ベスト4に一度も進んだことのない九州勢が2クラブも残っているというのは特筆に値する。 W杯イヤーでもある来季は四国にも初のJ1クラブが誕生するなど、日本全体での盛り上がりが期待されるが、今大会のベスト8の顔ぶれそのものがJリーグ百年構想、あるいは天皇杯の理念の一つである「サッカーの普及」が確実に歩みを進めている証左といえるのではないだろうか。(NHC)