今が旬!れんこんの変わり種おつまみを日本酒に合わせて
季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。今回はれんこんと日本酒のペアリングで冬の訪れを待ちわびたい。 今が旬!日本酒に合う「れんこん」レシピ(写真)
美しい蓮の花の地下茎であるれんこん。しゃきしゃき、もっちりとさまざまな食感が楽しめる根菜は季節の食卓に欠かせない。三大産地は茨城、徳島、佐賀県だが、伝統野菜の加賀れんこんも根強い人気がある。 「復興支援の酒『天狗舞の山廃純米酒』に合わせて、加賀れんこんを使いました。芳醇な味わいで自然な山吹色をしている山廃は、旨味の強い料理に合わせますが、チーズやスパイス、バルサミコ酢などを使った料理にもよく合うんですよ。私はオレンジワインのペアリングを考えるのと同様にして料理を考えています」(平野さん)。 通常のれんこんでももちろん作れるが、能登の食品を「買う」「食べる」「飲む」ことで少しでも応援できたらいい。
れんこんのクミンチーズ焼き
れんこんは皮付きのまま焼いて香ばしく。カリカリのチーズとスパイシーなクミンの組み合わせは最強のつまみ。 <材料 2人分> れんこん1節(150g)、オリーブオイル少々、ナチュラルチーズ50g、クミンシード小さじ1/2 <作り方> 1 れんこんは皮つきのまま3~4ミリの厚さに切る。 2 フライパンにオリーブオイルを熱し、1を並べる。 3 弱火で1分ほど焼き、チーズ、クミンシードを乗せて焼く。 4 チーズがカリカリになったら、ひっくり返し、反対側も焼く。
【今月のお酒セレクト:能登の復興 支援酒プロジェクト つなぐ石川の酒 天狗舞 山廃 特別純米酒 ver.】
能登半島地震に義援金を募ることを目的とした、石川県酒造組合連合会企画の復興支援酒。1本あたり200円が義援金として寄付される。 「山廃の力強さと上品な口当たり。料理に合わせることでさらに酒の良さが感じられます。天狗舞の蔵人の多くも被災したそうですが、能登の仲間のための支援を続けています。一致団結した酒蔵相互の絆のプロジェクト。支援は続けていくことが大切ですね。”飲む”ことが少しでも役に立てば、と思います」(平野さん) BY YUKIKO HIRANO 平野由希子 素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。