「就職氷河期」50歳代の年金はどうなるの?財政検証でわかったこれからの年金額見通し
2024年7月3日、第16回社会保障審議会年金部会が開催され「2024年の財政検証結果」が公表されました。 ◆【一覧表】私たちの年金はいくらに減る?年代別に試算結果を確認 就職氷河期世代で厚生年金の加入期間が短かった人などは、将来年金をいくら受け取れるのか不安に感じている人もいるでしょう。 この記事では、就職氷河期世代に当たる50歳の人の年金額見通しについて解説します。 就職氷河期世代の人が注意したい点も紹介しますので、年金額を確認して老後対策を考えましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
モデル世帯の年代別年金額の見通し
財政検証では、夫婦2人(妻は専業主婦)のモデルケースの年金額を年代別に試算しています。 前提条件は、次の2パターンです。 ・成長型経済移行・継続ケース:実質経済成長率1.1%、実質賃金上昇率1.5%など、一定の経済成長が継続したケース ・過去30年投影ケース:今後の経済成長率などが過去30年と同じように推移したケース 現在50歳(1974年生まれ)の人の年金額見通しは次の通りです。 ・成長型経済移行・継続ケース:24万7000円 ・過去30年投影ケース:21万7000円 現在65歳の人の年金額22万6000円と比較すると、成長型経済移行・継続ケースなら年金月額は現在より増加しますが、過去30年投影ケースでは減額になります。 年代別の年金額見通しは次のとおりです。 前提条件によって、年金額は大きく変わることに注意してください。 ●成長型経済移行・継続ケース ・1959年(65歳):22万6000円 ・1964年(60歳):23万円 ・1969年(55歳):23万4000円 ・1974年(50歳):24万7000円 ・1979年(45歳):26万6000円 ・1984年(40歳):28万7000円 ・1989年(35歳):30万9000円 ・1994年(30歳):33万3000円 ●過去30年投影ケース ・1959年(65歳):22万6000円 ・1964年(60歳):22万3000円 ・1969年(55歳):21万8000円 ・1974年(50歳):21万7000円 ・1979年(45歳):21万4000円 ・1984年(40歳):21万2000円 ・1989年(35歳):21万1000円 ・1994年(30歳):21万3000円 成長型経済移行・継続ケースでは、若い世代ほど厚生年金加入期間が長く賃金も高くなるため年金額は増加する一方、過去30年投影ケースでは、経済の停滞により若い世代ほど年金額は少なくなります。 ここまで夫婦2人(妻は専業主婦)のモデルケースについて解説しましたが、女性の社会進出や働き方の多様化により実態と合わないと考える人もいるでしょう。 次章では、世帯単位ではなく個人単位での年金額見通しについて紹介します。