もしも993型「911」をポルシェがいまなお作っていたら…がコンセプト! 勝手に作ったリマスターモデルが2億円近い価格で落札! 人気の秘密は?
ラグナ・セカではマクラーレンP1よりも速い!
トランスミッションは993型911の標準装備であるゲトラグ製のG50型6速MTだが、こちらもより強固な内部構造を持ち、シングルマスのミッドウエイトフライホイール、強化型のクラッチとの組み合わせなど、大幅な改良が施されている。参考までに2020年に完成された最初のクーペモデルのプロトタイプは、カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカにおいて1分30秒99を記録。これはマクラーレンP1のそれよりも0.2秒速いラップタイムだった。 そして次なるプロジェクトとしてグンター・ヴェルクスがチャレンジしたのが、ポルシェの最も神聖な作品ともいえるスピードスターへのオマージュとなるオープンエアモデルの開発だった。最新のカーボン技術を用いることで、クーペの2倍の剛性を備えたというスピードスターのボディは、後部座席があったスペースを強化のためにアップグレードしたほか、Aピラーやカウルにアルミニウム製の補強材を追加。それは剛性の向上のみならず乗員の安全性を高めるためにも大きく貢献している。 同社によれば、このスピードスターの生産台数はわずかに25台。シャシーナンバー「992」を持つこのモデルは、エクステリア、インテリアともに素晴らしいフィニッシュを見せ、また現在までの走行距離もわずか93マイル(約149km)と、そのコンディションは新車のそれに限りなく近い。 0-96km/h加速を4秒未満でこなすグンター・ヴェルクスのポルシェ 911 スピードスター リマスター・モデル。オークションでの入札は白熱し、最終的な落札価格は121万5000ドル(邦貨換算約1億7771万円)を記録することになった。現存する最も特別なオーダーメイドの993型911を手に入れるチャンスは、911ファンから圧倒的な支持を得たようだ。
山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)
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