【インタビュー】モントーク跡地、外観を同じくした新施設「V.A.」が目指すもの
まだわからないというのが正直なところです。これまでも、入居する施設の都合などがあり、自分たちで「期間限定」と定めて始めたわけではなかったんです。面白いことをやろうと考えて計画して、その潮時がいつなのかは時代と呼吸しながら判断していくことになりますね。 ⎯⎯ V.A.の運営に対して、具体的な数値や成果の目標は設定していますか? 当然、収益として成り立たせなくてはいけないのですが、立地としても影響力を持つ場所ですし、色々な人が関わって育てていく場所にしたいので、まずは「街に良い作用を及ぼすこと」が目標です。数値にとらわれず、面白いことをやっていきたいですね。
背景を掘りたくなる場が、未来のカルチャーリーダーを育てる
⎯⎯ 前回のインタビューで、モントークの役割は「東京で一番おもしろい人たちが集まれる場所を作る」ことだとおっしゃっていました。では、V.A.の役割は? 知的好奇心が高い人たちのランドマーク的なハブになること、というのは変わりません。そこにプラスして、V.A.は物販、ベーカリー、カフェでそれぞれ空間のテイストが異なるので、これまで以上に色々な層の方が来てくださるのではと思っています。いい意味で「るつぼ」のような状態になればいいですね。 ⎯⎯ モントークは「先輩に連れて行ってもらわないと入りにくい」ようなクローズドな空気感も支持されていたかと思いますが、V.A.は「オープン」なイメージですか? 「色々なタイプの方に向けた」という意味では、モントーク以上に間口が広がったのではないかと思います。今は、海外からのお客様が非常に多いですから、東京を代表するような、「東京旅行するならV.A.に立ち寄りたい」と思ってもらえるような場所にしていきたいですね。 ⎯⎯ モントークの内装はシックなイメージでしたが、V.A.のカフェスペースは一転かなりレトロモダンで可愛らしい印象です。 ここは宇一さんがこだわられていたポイントで、「デコラティブな純喫茶」のようなレトロ感がある内装にしました。若い女性も気に入ってくれそうな空間になったと思うので、今から色々な方に来ていただけるのではないかと楽しみにしています。 ⎯⎯ ジュンのコーポレートスローガンである「YOU ARE CULTURE.」というメッセージには、消費者に対しても「カルチャーの重要性を意識し、探究する精神を持って欲しい」という願いが込められています。V.A.を訪れる様々な顧客たちに対して、期待するものを教えてください。 カルチャーやアーティスト、食べ物もそうですが、全てに好奇心を持って「掘って」いってほしいです。誰かがSNSに載せていたから、みんなが行ってる場所だから、ではなくて。その背景にはどういったものがあるから今がある、ということを知ったり、どういった時代に生まれたものがどのように形を変えて、今再提案されているのかを考えたり。V.A.は、そういったナレッジを探究していくきっかけを作る場にしていきたい。好奇心を持って掘ることを実践していくと、僕個人もカルチャーの発信者として深まっていく気がします。それを実感していただける場になれば嬉しいですね。