新NISAで買える投信(6)、同じ先進国株式インデックスでパフォーマンスが異なる要因とは?
「野村 インデックスファンド・先進国ESG株式」は、日本を含む先進国株式を投資対象としており、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は、日本を除く先進国株式(MSCIコクサイインデックス)を投資対象としている。この2つのファンドのパフォーマンスの違いは、「日本」を含むか含まないかという点がポイントになっている。「ESG要素」がパフォーマンスに与えた効果については、日本を除く先進国株式を投資対象とした「Smart-i 先進国株式ESGインデックス」が「MSCI-KOKUSAI ESG リーダーズ指数(配当込み、円換算ベース)」に連動するインデックスファンドであり、3年(年率)リターンが22.79%と「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」をわずかに上回る運用成績になっている。3年(年率)で0.54%の差だ。
現在の世界の株式市場は、史上最高値を更新している米国株式と日本株式が市場のけん引役を担っている。インデックスファンドの良し悪しは、米国株式や日本株式をどの程度組み入れているかで変わる。「S&P500」に連動するインデックスファンドが上位に来るのは、米国株100%の組み入れ比率であるためだ。先進国株式インデックスも70%程度を米国株が占める。日本株式も今年になって、バブル期の高値を34年ぶりに更新するなど、好調ぶりが際立ってきた。ファンドのパフォーマンスの点でも、「日本を除く先進国」よりも、「日本を含む先進国」の方が、より高い運用成績になっている。
このように、ファンドの運用成績は、個々のファンドの投資対象の範囲、また、銘柄選定の条件などによって運用成績が異なる。また、企業の持続成長性に係る要素として重要視されてきている「ESG」についての評価も「FTSE4Good Developed 100 Index」と「MSCI-KOKUSAI ESG リーダーズ指数」とでは、評価の基準が異なり、その違いが運用成績にも影響を及ぼすことになる。この評価基準の違いは、アクティブファンドになると、より明瞭な違いになってくる。