風水害から命どう守る?地震の際に学校で起こりうることは…災害時のリアルを追求「防災教育」の最前線
教室では。 (緊急地震速報の音) 担任役: 「大丈夫だよ、大丈夫だよ」 泣き叫ぶ児童に、何度も鳴り響く緊急地震速報。 大木准教授によると過去の災害でも、子どもたちが恐怖で動けない、余震で悲鳴をあげる、嘔吐したり過呼吸になったりするケースがあったということです。
児童役:「ちょっと外見てくるね」 担任役:「こうちゃん!いかん」「こうちゃーん危ないよ!」 じっとしていられない子どもや不安を感じやすい子ども。担当の児童1人1人の個性や特徴をイメージし、災害時にどんな声掛けや対応をすべきか、あらかじめ考えておく必要があると言います。
駆けつける保護者の対応も大きな課題に
ここで。 保護者役: 「うちの方が安全なんで学校にいるよりも」 担任役: 「余震があって危険があってもいけないので、一緒に手伝ってほしい」 続々と学校に駆けつける保護者たち。ただでさえ教員の数が子どもよりも少ない状況ですが、その対応に追われ、子どもたちのケアに専念できません。
保護者役:「何でこんなに保健室に人がいないんですか?」 先生役:「今日ちょっと少ないんですよ」 保護者役:「対応がうまいことできてないことがすごい不安で」 先生役:「じゃぁお父さんついてもらってていいですか」 保護者役:「生徒も全然まとまっていない」 大木准教授: 「東日本大震災以降 被災3県については、保護者には引き渡しはしないということに決まりました。生きていればいつか会えます、迎えに来ないでくださいというふうに今どんどんシフトしている」 子どもの安否確認ができるまで引き渡しをしないなど学校ごとにルールを決め、保護者と共有しておくことが大切だと話します。 終始、児童や翻弄されながら訓練は終了。
「固定観念を崩された」訓練終えた参加者たちは
5年担任役: 「汗が止まらない。いろいろバタバタするのをやりながら保護者対応とかそういったところを止めておかないとパニックになる。人が入れば入るほど大変だろうなと思った」 2年担任役: 「絶対これはそれぞれの先生がシミュレーションし想像して、何ができて何ができないか1個1個クリアしていかないと本当の震災は耐えられない状況が想像できます」 校長役: 「(子どもに対し)教員の数が少ないと感じたり、管理職としてシミュレーションを本気でやっておかなければならないと大変強く感じました。固定観念を崩されたような演習でした」 大木准教授は、大人と子どもが共に考える防災教育への転換が、子どもの成長にも大きく貢献すると話します。