円は対ドルで3週間ぶり安値更新、日銀利上げ見送り観測-154円接近
(ブルームバーグ): 16日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=154円に接近し、約3週間ぶり安値を更新。来年の米国利下げペース減速リスクを意識したドル買いに加え、日本銀行が今週の金融政策決定会合で利上げを見送る可能性が意識され、ドル買い・円売り優勢だ。
円は前週末までに対ドルで半年ぶりの長期連続安となった反動で、朝方に153円台前半まで買い戻されたが、金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて下げ幅を拡大した。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、10日までに膨らんだ円先物の買い越しも先週後半の日銀利上げ見送り観測報道を受けて解消されたとみられ、「19日の日銀会合結果まで比較的静かに待つのではないか」と予想。一方で、テクニカル分析上で特段の目安もない「154円はすんなり超えてもおかしくない」との見方を示した。
共同通信は13日、日銀が18、19日の政策決定会合で利上げの見送りを検討していると報じた。先週以降、ブルームバーグを含め日銀は追加利上げを急いでいないとする観測報道が続いている。12月の利上げ織り込みが1割台で低迷する中、円は対ドルで13日まで5日続落し、6月以来の長期連続安となっていた。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、市場の織り込みが大きく剥落する状況で利上げに動けば市場にショックを与えるとし、日銀の12月利上げは「難しくなってきている」とみている。ただ、来年1月の利上げ観測は根強く、「1ドル=155円を超えて円安が進む感じではない」と述べた。
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
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Saburo Funabiki