韓国大統領の拘束令状を再発付 公邸にはバリケードや鉄条網増設、衝突なしの尹氏の拘束は困難
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が宣布した「非常戒厳」について捜査する捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」や警察でつくる合同捜査本部は7日、内乱首謀容疑などによる尹氏の拘束令状が裁判所から再発付されたと発表した。有効期限は明らかにしなかった。 捜査本部は3日に大統領公邸で令状執行を試みながら大統領警護処の要員らに阻止され、断念した。近く再度の執行に乗り出すもようだ。ただ、警護処は執行を全力で阻止する構えで、公邸にはバスなど車両によるバリケードや鉄条網が増設された。衝突なしの執行は困難とみられている。 警察は、執行を妨害すれば、特殊公務執行妨害の現行犯での拘束も辞さない考えだ。特殊部隊の投入も検討しているとされる。捜査本部は前回の令状が期限を迎えた6日に令状を再請求した。 呉東運(オ・ドンウン)公捜処長は7日、国会の委員会で「次の執行が最後だとの覚悟で徹底的に準備し、最善を尽くす」と訴えた。執行の失敗で見せた捜査の未熟さや警察との連携不足から、公捜処の存在意義を疑う声も高まっている。