台風で折れた樹齢3000年の「弥生杉」 そのままの姿で保存へ
鹿児島県・屋久島にあり、8月末の台風10号で折れた「弥生杉」(同県屋久島町)について、林野庁屋久島森林管理署は9日、折れた状態のままで保存する方針を決めた。一帯への立ち入り制限を年度内に解除し、遊歩道整備や植生モニタリング調査、看板設置などを早期に実施する。 【写真で見る】台風で折れた「弥生杉」 弥生杉は観光地の「白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)」にあり、推定樹齢3000年、高さ約26メートル、幹回り約8メートル。林野庁選定の「森の巨人たち百選」の一つだったが屋久島で最大瞬間風速46・8メートルを観測した8月の台風で、根元から約1・5メートルを残して折れた。 森林管理署は台風被害を受け、町や観光協会、樹木医など15人でつくる検討委員会を設置。10月29日に意見を出し合い、11月に草案を持ち回りで協議していた。検討会では、倒伏前の弥生杉について、根元は西側の一部を除いてほぼ枯死し、倒伏しやすい状況だったことも報告されていた。【梅山崇】