20代若者が去った製造業の8万個の働き口…70歳以上が働いた=韓国
電気装備製造業者の暁星(ヒョソン)重工業は職員2200人余りのうち30%が50代以上だ。特に60歳定年が過ぎた後にも変圧器・電動機など製造現場の技術人材を2年間熟練嘱託職として再雇用する。チームの要請によって70歳まで生産現場で働く場合もある。定年退職以降、再雇用されて品質管理業務を担当しているパク・ミョンジュさん(65)は「入社してずっと積み上げてきた技術力が中高年勤労者のメリットだと考える」とし、「気持ちとしては68歳までは働きたい」と話した。 韓国が本格的に超高齢社会に進入し、企業、特に人材難に苦しめられる製造業者などの継続雇用政策は「選択」ではなく「必須」になりつつある。弾劾政局で雇用法制化に向けた社会的対話は暫定的に中止されたが、企業は各自中高年の再雇用を通じた生存戦略を模索している。 26日、統計庁の経済活動人口調査のマイクロデータを分析したところ、今年11月基準で60歳以上の高齢層の製造業就業者は67万2000人で、前年同月比4万5000人増えた。特に、70歳以上の超高齢層に限れば、1万3000人増の8万人を記録した。20代以下の青年層の製造業就業者が7万3000人減ったのとは対照的だ。 これは進みつつある少子・高齢化の流れとかみ合っている。行政安全部によると、23日基準で65歳以上の住民登録人口は1024万4550人で、全体人口の20%を突破し、超高齢社会に進入した。法定定年(60歳)以降も働き続けなければならない環境に次第に追い込まれているわけだ。 各企業も同様に、少子化による求人難を克服するため、積極的な継続雇用政策を導入している。雇用労働部がこの日発表した「中高年継続雇用優秀事例集」によると、船舶部品製造会社オリエンタル精工は熟練職員が定年以降にもさらに5年間働けるように2019年から嘱託制度を導入している。食品メーカーの東遠(トンウォン)ホームフードも、生産ノウハウを保有している中高年の調理員を引き続き雇用している。現在、最高齢の調理員は75歳だ。経歴職の調理師とインターンの調理師を1対1でマッチングし、徒弟制で業務を伝授するシステムも備えている。 自主的に定年を延長して人材確保に乗り出した企業もある。鉄鋼メーカーの東国(トングク)製鋼は定年を2022年60歳から61歳に延長したことに続き、来年からは62歳に延長する。定年が過ぎても、一部の職員は嘱託職として再雇用され、引き続き働くことができる。ここで生産総括を受け持っているパク・ウンジェさん(60)は「本来は定年退職しなければならない年齢だが、2年がさらに延長されて家族も喜んでいる」として「力の及ぶところまで仕事をするのが夢」と話した。 メーカーだけではない。流通会社のGSリテールは事実上定年がない。60歳定年後も1年単位で契約延長が可能だ。全職員の半分に近い45%が50歳以上の中高年層だという。 今後、継続雇用を導入する企業は持続的に増えるものとみられる。雇用部のチェ・ヨンボム高齢社会人材政策課長は「企業が自ら必要により継続雇用を拡大している」とし、「時間が経つほど仕事ができる人がますます不足するので、中長期的に継続雇用を制度化する必要がある」と話した。 ただし継続雇用の法制化に向けた社会的対話は弾劾政局によって止まっている。大統領直属の経済社会労働委員会は労・使・政対話を通じて継続雇用のあり方について意見を交わしているが、労働界代表として参加する韓国労総が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の非常戒厳宣言以降、対話中止を宣言した。