【Xデーはあるのか?】ウクライナのパイプラインが破壊される日 欧州を襲う“ロシア天然ガス供給停止”の恐怖、日本への影響も
輸送を継続する方法は?
スロバキアのフィツォ首相は、輸送を継続する方法としてロシア・ウクライナ国境でEU諸国が天然ガスを購入し、ウクライナに輸送を依頼する方法を提案した。 さらに、EUに天然ガスを輸出しているアゼルバイジャンとロシアの天然ガスをスワップ(交換)し、ウクライナが輸送するガスをアゼルバイジャン産とみなす案も検討されている。 24年12月にEC委員は、スワップするのであれば、ロシア・ウクライナ国境で天然ガスを購入する方が良いと述べている。いずれの案もロシアは同意すると思われるが、ウクライナの同意は不透明だ。 一時的な中断の後、輸送が再開される可能性もあるが、中断した際には米国、カタール産LNGの需要増は避けられそうにない。日本の購入するLNG価格も上昇するだろう。LNG火力は日本の発電量の3分の1を占めるので、電気料金も上がる。 遠い国のできごとだが、今後の展開を注目しておくべきだ。
山本隆三