ラグビー日本代表候補の帝京大FLはレベルが違う! 代表落選のショックを糧に目指すは6年連続の日本一
【仕事人タイプのFLとは異なるスタイル】 「春からチームにいなくて迷惑をかけていた。大学4年生は1回だけ。帝京大の同期と結果を残したいですし、大学ラグビーにフォーカスして一つひとつレベルアップしていきたい」 青木はマインドセットをしっかりと帝京大に切り替え、代表候補合宿で出た課題に取り組んだ。それが今秋の高いパフォーマンスにつながっているのだろう。 相馬監督は語る。 「(日本代表に落選し)青木は本当に練習の質が変わった。今までだったら雑に済ませていたが、一つひとつ丁寧にプレーするようになった。これまでは力で何とかしようとしていたが、タックルも低く、ブレークダウンでもスキルでプレーしようと変化している」 大学生活も残り2カ月。青木は「ブレることなく、大学選手権優勝という目標に向かっていきたい」と語る。しかしもちろん、日本代表への想いも持ち続けている。 「仕事人の多い日本のフランカーとは(タイプが)かぶらないのが僕の強みだと思うので、タックルや接点のスキルを身につけて、ボールキャリーもできるようになりたい。(佐藤)健次に後れを取っているので、日本代表に呼ばれるようにがんばります」 今シーズンの青木個人には、大きな記録もかかっている。桐蔭学園の高校2年時と3年時に花園を連覇し、帝京大入学後も1年から主力として3連覇。キャプテンとして帝京大を4連覇に導いたら、6シーズン連続の日本一ということになる。本人はどう思っているのか。 「連覇に対してプレッシャーはないですが、キャプテンとしてチームを勝たせないといけないというプレッシャーはあります」 6シーズン連続の日本一、そして再び日本代表にチャレンジするために、青木は深紅のジャージーの先頭に立って大学ラグビーで違いを見せ続ける。
斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji