メキシコ中銀、中国が米国輸出として「裏口」利用との主張を否定
Brendan O'Boyle Anthony Esposito [メキシコ市 27日 ロイター] - メキシコ中央銀行は27日公表した四半期報告で、中国がメキシコを「裏口」として米国に輸出することで貿易障壁を回避しているとする米国の主張を否定した。貿易の流れに関する内部分析で「第三国を経由した中国から米国への迂回輸出」が米国の輸入総額に占める割合はごくわずかだとし、うちメキシコからの割合は「さらに少ない」と言及した。 メキシコ中銀の四半期報告公表は米大統領選でトランプ前大統領が勝利した後では初めて。トランプ氏がメキシコとカナダからの全輸入品に25%の関税をかけるとけん制したのに対し、メキシコ政府は実施されれば報復関税によって米国が40万人の雇用を失う可能性があると警告している。 ただ、メキシコ中銀のロドリゲス総裁は、トランプ次期政権の政策について実施前に語るのは時期尚早だと注意を促した。 報告書では、メキシコの2025年の国内総生産(GDP)成長率予測を前年比1.2%とし、前回予想を据え置いた。一方、24年の成長率は1.8%になると見込み、前回予想の1.5%から引き上げた。 その上で「メキシコ経済は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復期に比較的大幅なペースで拡大した後、24年の残りの期間と25年、26年には緩やかなペースで成長すると予想される」とコメントした。 一方、25年末のインフレ率予想は前年同時点比で3.0%に据え置いた。24年第4・四半期の平均インフレ率見通しは前年同期比で4.7%とし、前回予想の4.4%から若干引き上げた。