県産材利用促進で協定 三重県とオオコーチ 目的は脱炭素社会の実現
三重県松阪市大黒田町に本社を置く製材・建築・住宅資材総合販売業の㈱オオコーチ(黄瀬栄一郎代表取締役社長)が21日、県と「三重の木」等の利用の促進に関する協定(建築物木材利用促進協定)を取り交わした。「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(通称=都市〈まち〉の木造化推進法)に基づき、「三重の木」など県産材の安定供給を促進する狙い。県内3例目の協定締結となった。 同協定は、2021(令和3)年10月に施行された同法に基づき、公共建築物だけでなく民間建築物を含む建築物全般で木材利用を促進するために創設。建築主である事業者と自治体が連携して木材利用に取り組み、木材利用を促進することで、脱炭素社会・持続可能な社会の実現を目指す。同社は今後5年間で千立方メートルの県産材を利用し、県は同社に対し技術的助言や補助事業・イベントなどの情報提供、木材流通・木造建築に関する専門家の紹介などを行う。 この日は黄瀬社長(46)と、同社で宅建事業を担当している竹内加奈子代表取締役専務(49)が県庁を訪れ、黄瀬社長と一見勝之知事が「三重の木」でできた協定書にサインペンで署名した。 協定締結に際して黄瀬さんは「住宅も非住宅も今まで以上に、特に非住宅において三重の木等の地域産材を活用し、その結果、本来の目的である脱炭素社会に結び付けられる形になればと思っています。今まで以上に地元の木を使って、山の健全化にも貢献して、一般の方々にも建築物を通して、地元の木はこれだけいい木があるということを身近に触れていただける機会ができれば」と抱負を語った。 また一見知事は「令和3年に木づかい条例を議会でつくっていただき、三重県は県産材の利用に力を尽くしてきたが、森林教育や木材利用のメリットを情報発信する中で生まれてきた協定であり、今回の協定が他の模範になってSDGsの社会の実現が前へ進んでいくことを期待している」と述べた。 県は昨年4月に松阪市木の郷町のウッドピア松阪協同組合、東京都に本社を置く古河林業㈱との3者で同協定を締結。また今年3月には木造幼稚園舎を建てた伊勢市の学校法人前島学園との間でも協定を結んでおり、オオコーチとの締結が3例目となった。