ビットコイン市場は、CPI発表後のボラティリティはごくわずかと見ている
5月15日(日本時間午後9時半)のアメリカのインフレ率の発表は、最近の一連のサプライズで利下げ観測が後退した後、投資家がアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の指針を探る中で、中心的な舞台となる。 しかし、ビットコイン(BTC)価格の変動に対するプロテクションを提供するビットコインオプションの価格設定は、トレーダーが消費者物価指数(CPI)発表後のボラティリティの爆発を予見していないことを示唆している。 トレーダーは、特定のイベントを捕捉するオプションを購入することが多く、そのインプライド・ボラティリティは、短期および長期の契約に比べて高くなる。アナリストは、市場がどの程度ボラティリティを高く見積もっているかを把握するため、イベントの前後で満期を迎えるオプションのインプライド・ボラティリティの差に注目する。 暗号資産オプション取引所デリビット(Deribit)のアルトコインマーケットメーカーのトップである機関投資家向け流動性プロバイダーのOrBit Marketsは、「市場はイベントのプレミアムをわずか1.5のボリュームに設定している…ほとんど無視できるほどだ」とCoinDeskに語った。言い換えれば、CPIレポート後に価格が左右どちらかに2%未満しか動かない可能性があり、追加のボラティリティはほとんどない。S&P500のオプションは比較的高いボラティリティを予想しているとOrBitは述べている。 アメリカ労働省は協定世界時(UTC)15日午後12時半(日本時間午後9時半)に4月の消費者物価指数(CPI)を発表する。CPIは前年同月比3.4%上昇し、3月の3.5%から緩やかになると予想されている。ブルームバーグが発表した予測によると、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年同月比3.6%の上昇で、3月の3.8%から低下する。 オプション取引は、強気または弱気の値動きに対する保険を買い手に提供する。コール・オプションは価格の上昇、プットは価格の下落からの保護を提供する。インプライド・ボラティリティは、特定の期間における価格の乱高下に対する期待値を指す。 10x Researchの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、週明けに期限が切れるビットコインオプションについて分析した。彼の分析もOrBitのそれと一致している。 「5月17日に満期を迎えるオプションのインプライド・ボラティリティは52.8%で、他のオプションよりも2%高いだけだ。しかし、実現ボラティリティ(過去のボラティリティ)は依然として50%を下回っており、上下どちらかに大きく動くという期待は織り込まれていないことを意味する」とティーレン氏はCoinDeskに語った。