全米オープン開催コースの改修費用は2500万ドル!? 名門コースゆえのたゆまぬ努力の中身とは
米国のゴルフダイジェスト社によると、年々厳しくなるトーナメントのレギュレーションに対応するため、メジャー選手権を開催する伝統のあるクラブにとって、コースの改修工事は10年から15年ごとに行われるのが一般的であり、総費用は1000万ドルから1500万ドル以上に達すると言われています。 なかなか見ない! コース改修に向けた図面が面白い【写真】 毎年4月にマスターズトーナメントが開催されるオーガスタナショナルも毎年のように改修を繰り返していますが、今年全米オープンが開催されていたパインハーストNo.2(原設計は巨匠ドナルド・ロス)も、現代の名匠ビル・クーアが2011年に改修しており、その費用は2500万ドルだったと言われています(当時の為替レートで約19億円)。 パインハーストの改修工事では非管理エリアの拡大や、灌水システムの見直しによって50%(1.5億リットル)の水資源の節約に貢献するなど、こうした改修工事は競技への適合だけではなく、業界のリーダーとして、ゴルフコースが社会や産業に与える影響を見据え、道標になるという意味合いも含まれています。 日本でも廣野ゴルフ倶楽部(マーティン・イーバート=2019年改修)や、東京ゴルフクラブ(ギル・ハンス=2009&2018年)、我孫子ゴルフ倶楽部(ブライアン・シルバ=2012年)などが著名な外国人設計家によって改修を実施したことは記憶に新しいニュースですが、「名門ゴルフ場」とはいつの時代も名門であり続けるために、たゆまぬ努力で背中を見せ続けているということかもしれません。 レポート/大矢隆司(ゴルフ活動家) 1980年生まれ。中学卒業後15才で単身オーストラリアへゴルフ留学。ジェイソン・ディら多くのトッププロを輩出するHills Golf Academyで3年間を過ごす。帰国後大学に進学し在学中にゴルフコーチに転向。ゴルフコーチングと並行して会社経営を学ぶためにビジネススクールに通いMBA(経営学修士課程)を修了。国内外でのゴルフビジネスの起業を経て、現在はゴルフビジネスのアドバイザーやPMO、オーナー代理人としてゴルフ場やゴルフ関連企業の顧問を務める ◇ ◇ ◇ ●どんなスイング理論でも全ての人には当てはまらない。関連記事『【診断】手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 新感覚の理論で自分に合ったアドレスを見つけよう!』をチェック!