団地再生の新モデルになるか 「ソーネおおぞね」の試み(下)
心を満たせる場所へ
「将来は自分の店を持ちたい」という思いを抱いている生徒も多く、「だれが食べるのか」「どういうニーズがあるのか」と考えながらレシピを組み立てるのが勉強になったという生徒たち。「ドキドキするけど、反応が楽しみ」という中で、最終的にサンドイッチ部門が「まるごとおいしい!パンクラムチャウダー」、単品部門は「ソーネのクリームうどん」、スイーツ部門は「ソーネくんの安納芋パフェ」が選ばれました。 10代の若者が考えたこれらの料理とスイーツは、さらに改良を重ねて10月上旬ごろにはカフェのメニューに並ぶ予定で、子どもから高齢者までを楽しませてくれることでしょう。 施設を企画運営するわっぱの会代表の斎藤縣三さんは「若い力は重要。場の雰囲気が変わり、親しみやすさや活気が生まれそう」と期待を込め、「単発で終わらせず、継続してできればいい」と話しました。多様な世代と個性が交じり合いながらおなかも心も満たせるソーネカフェを中心とした、高齢化が進む団地再生の新しい取り組みは、まだ始まったばかりです。 (南由美子/Newdra) <プロフィール> 南由美子/愛知県生まれ。飲料メーカーや編集プロダクション勤務を経てフリーのライターに。中部エリアの地域情報ポータルサイトや、広報誌での食関連記事などの制作に携わる。Newdraのメンバー。